メンズグルーミングの新ジャンル開拓を予感させるアイテムとして、パナソニックから“ボディトリマー”「ER-GK60」が5月上旬に発売される。
同社の男性用グルーミング製品といえば、シェービングの“ラムダッシュ”を筆頭に、ヒゲトリマー、ヘアカッター、エチケットカッター、マユシェーバー、ボディシェーバーと充実している。そこに加わるのが、すばりアンダーヘアのケアまでも手軽にできるというものなのだ。発売に先駆けて体験できる機会を得た『&GP』副編集長の円道秀和は、若かりし頃にメンズビューティー誌『メンズケア』を手掛けたこともある『GoodsPress』『&GP』編集長の澤村尚徳と緊急編集会議に持ち込んだ。
■そもそも男ってアンダーヘアの処理は必要なのか?
円道 パナソニックから“ボディトリマー”をなんとかゲットしてきましたよ! コレ、もちろん、ワキとか腕とか脚とか胸毛とかにも使えるんですけど、なんとアンダーヘアにも使えるということなんです。しかも、前(V)も、後ろ(O)も、その間(I)も、アンダーヘアすべてのゾーンをこれひとつで処理できるという。
澤村 ほう。アンダーヘア以外の無駄な体毛処理には、すでにボディシェーバーがあったもんね。(手に取って)なるほど…、それで刃が縦型についてるわけか。ふむふむ。
円道 使い方とかスペックについては、また後で話すとして。まずは…、実際、アンダーヘアの処理に対する日本男児の意識ってどんなもんなんすかね。
澤村 よく、サッカーとか野球の選手が欧米のチームに移籍すると、ロッカールームでカルチャーショックを受けるっていうよね。みんなアンダーヘアがキレイに処理されてて。で、そのうち自分たちもケアするようになるという。
円道 ああ、それはよく聞きますね。国内でも、スライディングパンツで擦れるのが嫌だから剃ってるプロ野球選手がいるという話を聞いたことがあります。
澤村 アスリートの場合は、自転車競技やマラソンの選手なんかも、そのパターンが多いみたいだね。たしかに擦れて辛そうな競技だもんね。あと欧米では、アンダーヘアがないほうが、衛生的にも清潔だという考え方らしい。
円道 へー…。じゃあ、欧米ではアスリート以外の一般男性もツルツルとか?
澤村 風の噂では8割くらいは普通に処理してるっていわれてるよ。ツルツルに剃っていたり、短く刈り込んで整えていたり。以前、スペインに留学してた時は、残念ながらスパとか公衆浴場でフィールドワークする機会がなかったんだよね。だから、ツルツル派と刈り込み派の比率とかまではわかんないけど(笑)。
■深刻な「謎の毛問題」もこれで解決できるかも!
円道 衛生面という意味では、これからの季節は特に気になりますよね。夏場はムレるから。
澤村 ムレて雑菌が繁殖すればニオイの元にもなるしね。
円道 あと、季節とは関係なく、抜けた毛が床とかに落ちてると切ない…。
澤村 絨毯ならまだしもフローリングだと目立って最悪。俺なんてこんな頭だから、すぐにわかっちゃうもん(笑)。円道の場合は、そんな髪だからわかりにくくていいんじゃない?(笑)
円道 いやいや、わかりますって! 縮れ方が違いますから!
澤村 個人的なことをいえば、Oゾーンをカットしてみたいかな。もちろん衛生的な意味もあるけど。なんだか処理したら気持ち良さそう。
円道 “V字ヘッド” だから谷間にあるOゾーンも剃りやすそうですね。おまけに、固定刃の先端が尖ってないから、肌あたりがやさしいっていうのもいい。
澤村 やっぱりデリケートな部分だから、カミソリを使うのは怖いよね。専用のアフターシェーブローションとかもあればいいのにね。
円道 ちなみに、面を軽く肌に当てて、毛の流れに逆らうようにゆっくり動かして剃るんだそうですよ。胸やワキはカミソリのような“挟み持ち”、アンダー周辺は“握り持ち”と、部位によってオススメグリップも違うみたいですね。もちろんギャランドゥだってお手の物です。さらに防水だから風呂剃りもできる。寒い季節のデリケートなIゾーン処理には助かります。剃った毛を気にする必要はないし、本体を水洗いするだけで刃の中の毛クズを流せるというのも便利です。充電は専用スタンドに置くだけとお手軽。このあたりは、さすがビューティー系が充実してるパナソニック、という感じですね。
澤村 アタッチメントっていうのは、主に前のアンダーヘア用ってことなんだろうね。
円道 前のVゾーンだけでなく、V/I/Oゾーンすべてのアンダーヘアに使用するときは、安全面から必ずアタッチメントを使用するよう注意書きがありますね。アタッチメントは、2、3、6㎜の3タイプ。ちなみに直刃なら0.1㎜です。
■下着にこだわるならアンダーヘアにもこだわるべし!
澤村 なるほど。でも現状を考えると、日本でツルツルは温泉とかで目立っちゃうかもね。それでも、きちんとエチケットとか身だしなみも整えたいとなると、キレイに刈り込んで整えるくらいのほうが現実的っていうところはあるかもしれない。
円道 僕は最初は6㎜で試したいかな。それで長ければ3㎜。
澤村 見えないところのおしゃれとして下着にこだわるという人もいるけど、アンダーヘアでおしゃれするのだって同じことだよね。
円道 手入れを始めたらヤミツキになりそうですよね。ヒゲトリマーも、使い始めたら週に1回は使わないと気持ち悪くなっちゃいましたから。それまでヒゲの手入れはハサミでやってたんですけど。すでに今、アンダーヘアをハサミで処理してる人なんかには、このボディトリマーはとても便利なんじゃないですかね。
澤村 そうだね。鼻毛用のエチケットカッターも想像以上に売れてるみたいだし、このボディトリマーもそのうちマストなアイテムになるかもしれないよ。剃るなり、刈り込むなり、アンダーヘアは手入れしているのが当たり前な時代が近々来るかも。20年前に『メンズケア』の編集をしていた時、ローションも乳液も女性用のものばかりだったのに、今ではメンズ用アイテムが普通にそろってるもん。ものすごいスピードで認知されたよね。
円道 で、個人的にはどうなんですか? これ欲しくないですか?
澤村 たぶん買う。いや買うな。話しててこんなに盛り上がるとは思わなかった(笑)。あれこれ考えながら話してみると、ますます、面白く感じるし、欲しくなったかも。
円道 じゃ、ふたりで試してみましょうよ。実践あるのみです!
アンダーヘアの悩みを男同士でぶつけ合う機会というのは少ないはず。それでいて、誰もが無関係ではなかったりもする。異様なまでに盛り上がった“緊急編集会議”の結論として、&GPの編集長&副編集長がそろってインプレッションに挑戦することとなった(のか?)。続編を乞うご期待!
■パナソニック「ボディトリマー」
肌にやさしく、デリケートゾーンの手入れに便利なボディケア用トリマー。I字型の構造は、挟んだり握ったりといったように、さまざまな持ち方を可能にしている。充電式で、フル充電で約40分使え、防水設計になっているので風呂剃りも実現。刃を外さずに毛クズを洗い流せるウォータースルー洗浄機能も付いている。5月上旬発売予定。オープン価格。
(構成/加藤亮介 写真/田口陽介、湯浅立志(Y2))