SUBARUの試験場で目撃!「インプレッサ」&「XV」が衝突安全性能No.1になった理由

最初に見学したのは、衝突時の乗員保護性能をチェックする試験。壁に設置された突起部にぶつかることで、クルマ同士のオフセット衝突を再現した試験です。衝突時の速度は64km/hで、壁に固定された動かないものとクルマの右前方とがぶつかることで、クルマどうしが55km/hでオフセット衝突した場合と同レベルの衝撃を再現できるのだとか。それでは早速、動画でご覧いただきましょう。

55km/hどうしでのオフセット衝突は、かなりの衝撃。車体の変形具合を見ても、その激しさが理解できます。特に間近で見ていると、その大きさがひしひしと伝わってきます。

ただし、フロント部分がこんなにつぶれた状態でも、フロントガラスは割れていません。それだけ、キャビンへの衝撃を車体で吸収できているということでしょう。

車内を見ると、ハンドルのエアバッグと、右サイドのカーテンエアバッグが作動し、きちんと乗員を守っています。左側のカーテンエアバッグは作動していませんが、右前方が当たるオフセット衝突の場合、左側のシートに座る乗員の危険性が低いと判断した場合には、エアバッグは開かないのだとか。これによって、万一この後、左側から衝突されるといった二次被害に遭った場合も、エアバッグを確実に作動させることができるんです。

もうひとつ驚いたのが、こんなにボディがつぶれた状態でも、普通にドアを開閉できたこと。SUBARUによると、事故の際は衝撃から乗員を守ることはもちろん、その後、いかに素早く救出できるかも重要な要素となるため、ドアを開けて救出する、あるいは、ドライバー自身が外へ出られることを考慮しているのだとか。

そのため、衝撃を吸収すべくボンネットが潰れた反力は、ボディの上下で受け止め、ドアのある車体のサイドには影響しない設計になっているんだそうです。単に衝撃から守るだけでなく、その後の救出についても考慮しているあたりに、SUBARUの安全への崇高な思想を見た気がしました。

【次ページ】開いてはいけない時は開かないSUBARUの歩行者保護エアバッグ

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