そもそも、SUVでリッター当たり約11kmも走れば納得、という方もいらっしゃるでしょう。
また、燃費が期待していたほどではない、と感じられた方に向けて弁明すれば、エクストレイル ハイブリッドに搭載されるリチウムイオンバッテリーの容量は吟味され、あえて30kWにとどめられています。バッテリー容量を抑えることでラゲッジスペースの容量をキープしているのです。ガンガン使えるエクストレイルですから、ここを譲らなかったことに共感しています。
結果、ガンガン踏むとバッテリーの蓄えが尽きて、エンジンが回ってしまうことになるのですね。燃料の消費量は増えてしまいますが、仕方ありません。
仕方ないと諦めてばかりではありません。エクストレイル ハイブリッドはエンジン内部のフリクションロスをしらみつぶしに解消し、燃費向上のためにエンジンそのものの抵抗を最小化しています。これは、エンジン回転の吹け上がりがスムーズなのとも無関係ではありません。もちろん、エンジンとモーター駆動による厚い低速トルクは、エクストレイルの新しい武器といってもいいくらいです。
さらには、アンダーパネルの形状をフラットにし、空気抵抗もコントロールしているというのですから、単にハイブリッドシステムを積んだだけではありません。
しかもタイヤは、エコタイヤなのにオールシーズンタイプを装着。「エコタイヤなので雪道や泥道は走らないで…」とはいっていないわけですよ。もちろん、スタッドレスやオフロードタイヤと同じようには扱えませんが、エクストレイルならではのこだわり、心意気にジーンときちゃいます。
「やわなハイブリッドはいらない!」と宣言するだけのことはあります。エコだけど使える道具感は維持。ご安心ください、ハイブリッドになっても、エクストレイルのコンセプトにブレはありません!
<SPECIFICATIONS>
☆20X HYBRID “エマージェンシーブレーキパッケージ”
ボディサイズ:L4640×W1820×H1715mm
車重:1570kg
駆動方式:FF
エンジン:1997cc 水冷直列4気筒 DOHC 16バルブ
最高出力(エンジン):147馬力/6000回転
最高出力(モーター):41馬力
最大トルク(エンジン):21.1kg-m/4400回転
最大トルク(モーター):16.3kg-m
トランスミッション:CVT
価格:280万4760円
(文&写真・ブンタ)
- 1
- 2