■亀の子束子は日本三大発明のうちのひとつ
亀の子束子は、1907年に誕生しました。初代西尾正佐衛門が発案した靴拭きマットが原型となっており、亀の形に似ていることから「亀の子束子」と命名したそうです。
亀の子束子はずっと同じ名前、形、品質のまま現在まで販売され続け、いまでは20か国以上に輸出されるロングセラー商品となっています。日本では、2013年に「ロングライフデザイン賞」を受賞しているんです。
日本における三大発明は、ナショナル・松下幸之助の「二股ソケット」、ブリジストン・石橋正二郎の「ゴム足袋」、そして西尾商店・西尾正佐衛門の「亀の子束子」だと言われています。
亀の子束子の素材はヤシの実で、なかでもスリランカ海岸で多く繁茂するココナッツ椰子が使われています。亀の子束子に使用するパーム繊維は、高品質の等級がつけられたものだけを選別して使用しているらしく、だからこそ優しい手触りと丈夫さを兼ね備えたものとなっているのでしょう。
■調理道具だけでなく野菜を洗うのにも役立つ
亀の束子は、繊維の頭の部分で「掻きだす」「こすり取る」といった洗い方が得意です。
そのため、木のまな板の汚れや、ザルの目に入り込んでしまった汚れをしっかり落とすのに向いています。また、スキレットなどの鉄鍋は、洗剤を使わずにお湯とたわしで汚れを落とすのが正しい洗い方です。
野菜についた土を洗い落としたり、薄皮を剥いたりといったときにも役立ちます。泥付きで新鮮なごぼうは、皮を剥かずにたわしで表面をこするだけで構いません。亀の子束子がひとつあるだけで、料理の下ごしらえにも使えるんですね。