最大の特徴はCOB(チップ・オン・ボード) LED。一般的な懐中電灯に使用されているSMD(表面実装)タイプとは異なり、蛍光体を広く塗布し、面発光させるLEDになります。
ワークライトのような広がりのある光を求める場合には、SMDタイプをたくさん並べた多灯ライト(LOB)がこれまで主流でしたが、ここ数年でCOBが急速に普及しています。LOBと違い、影が多重にならないため使用時の不快感が少なく、感覚的に使いやすいのが最大の特徴ではないかと思います。
GZ-300では、COB LEDに対し、さらにハニカム構造の拡散レンズを搭載しています。実はCOB LEDであっても完全に均一な面発光をしているわけではなく、発光素子の近くは明るく、遠いところでは暗くなっています。それを均一にするためのレンズかと思われます。同時に、若干中央寄りに光を集め、使いやすさを追求しています。メーカー公称では65度の照射角ですが、これは中心部の明るい部分の範囲と思われ、なだらかに減光していく周辺部も含めればかなり広い範囲を照らします。
この拡散ぶり。感覚的にはとても均一な照射に感じます。ズームレンズ式ライトの拡散光とは異なり、光の境界線がありません。あくまでもふわっとした広がり。壁面の施工など、均一さが必要な作業には重宝するかと思います。
対象が至近距離でもかなり広く照射します。画像の棚の高さは50cmほど。這ってもぐりこむような場所でも、広い照射面を確保できます。自動車をリフトして作業する場合など狭い場所でも使える配光です。
本体構造はいたってシンプル。左右への首振りはなく、上下のみ角度調整可能。台座と本体はネジ止めされており、ドライバー1本でテンションを調整できます。シンプルで信頼性の高い仕様です。
本体の周囲は分厚いゴムのバンパーになっており、1m落下耐久性能を持っています。IP64準拠の耐塵・防滴仕様と合わせ、雨や砂塵に晒される現場でもそれほど気を使うことなく使用できます。
操作も簡単。本体背面、右上のボタンをクリックすると500ルーメンのEcoモードで点灯。さらにクリックすると1200ルーメンのHighモードになります。もう一度クリックすると消灯です。ワークライトですから多彩なモードは不要かと思います。必要にして十分ではないでしょうか。
充電機能を搭載、ACアダプターを挿すだけで充電できます。充電中は写真のように赤色のインジケーターが点灯します。ACアダプターを使用した状態でも点灯可能。むしろメーカーでは、長時間の使用の場合にはACアダプターを使用することを推奨しています。
1000ルーメンクラスの投光器というと、少し前までは大型のバッテリーボックスを伴う大掛かりなものでした。SMD LEDを多数搭載していたため、影が多重にできるなど、不快感を感じることもあったようです。GZ-300のコンパクトさ、そして均一で自然な照射はテクノロジーの進歩を感じさせるものです。(アカリセンター価格:5616円)
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(文・写真/アカリセンター・HATTA)
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