■長野県は加工用ブドウ生産量日本一
シャトー・メルシャンは、すでに「桔梗ヶ原メルロー」で世界的な評価を得ていますが、それに満足することなく、さらに先へ、新しいことへと取り組んでいく姿勢に感心させられます。
現在、日本全体のワイナリーは、北は北海道から南は九州まで、200軒近くあります。中でも、産地としての伝統があり、ワイナリー数が最も多いのが山梨県で、明治7年(1874年)に、現在の山梨県甲府市で日本初のワイン醸造が行なわれました。
長野県では、ブドウ栽培は明治23年(1890年)、ワイン醸造は明治30年(1897年)と、歴史では山梨県に負けますが、加工用ブドウの生産量では、長野県が全国1位、山梨県は2位となります。また、ヨーロッパのワイン産地で見られる原産地呼称制度を日本で最初に導入したのは長野県で、「長野県原産地呼称管理制度」が2002年に制定されています。
さらに、長野県は、県内4つのワイン産地に名称を付け(日本アルプスワインバレー、千曲川ワインバレー、桔梗ヶ原ワインバレー、天竜川ワインバレー)、これら「信州ワインバレー」の活性化の支援を行なっています。
現在、10のワイナリーが集まる塩尻は「桔梗ヶ原ワインバレー」になりますが、地元では「塩尻ワイン」と扱い、地域全体で盛り上げています。
例えば、ワイナリーを徒歩やシャトルバスで巡る「塩尻ワイナリーフェスタ」の開催、塩尻市内の飲食店に塩尻ワインを持ち込める「BYO制度」(Bring Yout Own)、BYOの持ち込み料が無料となる、毎月20日は「塩尻ワインの日」など、塩尻に行きたくなる&塩尻ワインが飲みたくなる魅力がいっぱいです。
必携なのは、「塩尻ワインを飲める店 買える店 MAP」です。BYOできる店も含め、各店の情報が周辺マップとともに掲載されているので、とても便利ですし、眺めているだけでも楽しくなります。
メルシャンの片丘地区のブドウからのワインが飲めるのは、まだまだ先になりますが、塩尻を訪れ、ワイナリー巡りをしたり、地元の店で塩尻ワインを飲んだりしながら、まだ見ぬワインに思いを馳せるのも楽しいかもしれません。
※取材日:2017年4月27日
(取材協力:メルシャン株式会社/キリン株式会社)
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ワイン専門誌や料理系雑誌での記事執筆をはじめ、日本ソムリエ協会webサイトのコラムなどを執筆。ワインセミナー、トークショー、海外のワインコンクール審査員など、幅広い活動を行なっている。チーズプロフェッショナル、ビアソムリエ、コーヒー&ティーアドバイザーの資格も所有。スイーツ好き。