「スウェーデン・トーチ」の作り方はたったの2ステップ。
①丸太を用意
②チェーンソーで丸太に十字の切れ込みを入れる
ただ、燃えやすくするために丸太をしっかり乾燥させなければいけなかったり、チェーンソーを使う危険な作業が伴ったりで、DIYをバリバリしている人でなければ自作は難しいかもしれません。そもそも、地域によっては丸太の入手が難しい場合があります(都内のホームセンターで探したらほぼ全滅でした)。
手っ取り早く始めるなら、丸太に切れ込みが入った「スウェーデン・トーチ」として販売されているものを購入しましょう。しかし、これも実店舗では在庫がない場合が多いので、ネット通販で購入することをおすすめします。実際、今回の取材では、「現物を見てから購入したい」という思いが裏目に出て、6店舗目(浅草橋のアウトドアショップ)でようやく発見できたくらいです。
そのお店で購入したのは、十字の切れ込みが根本ぎりぎりまであり、燃焼剤を入れやすいよう、中心に丸い穴を空けてあるタイプ。重量は約8キログラムで、材質は火のつきやすい松。電車での移動には厳しい重さです。そんな重厚感にもかかわらず、価格は2160円(税込み)と意外に手頃。同じ量の薪よりは割高かもしれませんが、エンターテインメント性も考慮すれば、決してお高い買い物ではないように感じました。
■実際に試してみた
さて、そんな重いスウェーデン・トーチを持ち込んだのは山梨県某所にあるキャンプ場。安全性を考慮して石で囲いをつくり、消火用の水を用意したうえで、暗くなるのを待つこと1時間。
いよいよ点火。油を染み込ませた新聞紙を中央の穴につっこみ、火を点けます。ネットの情報によると、新聞紙の代わりに枯れ枝や木屑を穴や切れ込みに入れてもいいそうです。
新聞紙は勢いよく燃えるものの、丸太本体にスムーズに火が移るわけではありません。そんなときのために持参したガスバーナーも駆使しながら格闘すること5分。パチッパチッという音ともに、丸太に火が移りはじめました。
その後、一気に火勢が増しました。十字の切れ込みからの空気の抜けがいいのでしょう。火柱高く、豪快で迫力のある炎が暗闇を照らします。少し感動的。
火起こしを無事に終えたという達成感(疲労感?)から乾杯!
持参した羊肉を金串に刺して直火で焼いてみました。トーチ自体の高さがあるため、椅子に座りながらの調理がしやすいです。
したたり落ちる肉の油がジュワーっという音を立て、香ばしさを伴いながら立ち上っていく煙が炎に照らされます。塩・胡椒しただけの羊肉の旨かったこと。
丸太の上が平らになっているため、鍋やフライパン、ダッチオープンなどを載せられるのも便利な点。調理道具を置くと中心部の火勢はやや衰えますが、脇の切れ込み部分から火が立ち上るため問題ありません。ただし、こうした使い方は燃え始めのころに留めておくのがいいでしょう。ある程度、燃焼が進むと崩れやすくなるためです。
さて、3、4時間が経ちました。丸太の底や、樹皮の部分を残して燃え尽きたようです。翌日、改めて確認してみると、見事に内部だけが焼けています。
使い終わったら水を掛けてしっかり消火を。炎が見えていなくても、中で火がくすぶっている可能性があります。火力が強いため、火事だけは絶対に起こさないよう細心の注意を!
そこさえクリアすれば、一度火が点いたら、後はすることがないといっても過言ではないため、通常の焚き火よりも管理がラク。片付けも比較的簡単で、アウトドアのアイテムとして十分なインパクトと実用性がありそうです。
※キャンプ場などで使う場合は、その場所のルールに従って使用しましょう
記事内でスウェーデン(スウェディッシュ)・トーチを購入した店舗はこちら
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(取材・文/堀水潤一 撮影/大平晋也)
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