【WRX S4試乗】快適スポーツセダンの真骨頂、走りと安全性にさらなる磨きが!

まずは今回、S4に新設定された“アドバンスドセイフティパッケージ”を紹介しましょう。ひとつめのポイントは“死角検知機能”“車線変更支援”“後退時支援”をまとめた“後側方警戒支援機能”。ドライバーから見えないところに他車がいる、または接近してきた場合に、ドアミラーに付いているLEDランプで知らせてくれるシステムです。

左端に側溝がある道ですれ違う時などに心強い“サイドビューモニター”機能は、ふたつめのトピック。左側ドラミラーのカメラで、左前方の映像を車内のモニターに映し出してくれます。

そのほか、対抗車の有無でハイ/ロービームを切り替える“ハイビームアシスト”、“ブツからない”ための運転支援システム“アイサイト”からの情報をフロントウインドウに投影する“アイサイトアシストモニター”が含まれます。

つまり、WRX S4を運転していると、前後左右、それに見えないところまで、クルマが監視していてくれるというわけです。ありがたいですね。

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さて、S4のステアリングホイールを握って走り始めると、程よいスポーツ感がいいですね。この場合の“程よい”とは、あくまでWRX STIと比較すると、というレベルですが。

ちょっとマニアックなハナシをすると、STIが積む2リッターの水平対向ターボユニットは、歴代のWRXモデルで使われてきたエンジンをブラッシュアップしたもの。一方、S4のそれは、最新の技術を採り入れた直噴ユニットです。最高出力は300馬力と、STIの308馬力に迫るパワーを出し、かつ新しいエンジンだけに燃費も優れています(JC08モード燃費でリッター当たり13.2kmと上々の数値)。

今回、S4は足回りが見直され、車内の静粛性向上も図られたので、ググッと快適なスポーツセダンに仕上がっています。オプションで、STIと同じ245/40R18サイズのタイヤを選べるようになりましたが、個人的には今までどおり、225/45R18のままでいいかと。ちょっと頑張れば、ドライブしながら「クルマを手の中に収められた」感を得られるので、楽しい!

再びマニアックなハナシをすると、ステアリングのパワーアシストも、STIはフィール重視の“油圧式”、S4は軽やかな“電動式”と異なります。4WDシステムも、競技車っぽい味付けのSTIと、自然な回頭性を目指したS4で異なる方式を採っています。

CVTを採用したS4は、WRXシリーズの裾野を広げることで「マーケットにおいてSTIを支援するクルマ」と冷静に分析されます。でも実は、思いのほか異なるキャラクターの持ち主。STIの軟弱版(失礼!)などでは決してない!!(興奮気味)

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WRX S4は、ビジネスパーソンなどが日常的に使えるスポーツセダン。そんなイメージを訴求した方が、売る側も買う人たちも幸せな気がします。場合によっては、3ペダル式のMT車があってもいいのでは? 最後は個人的な願望で締めとさせていただきます。

<SPECIFICATIONS>
☆S4 2.0GT アイサイト
ボディサイズ:L4595×W1795×H1475mm
車重:1540kg
駆動方式:4WD
エンジン:1998cc 水平対向4気筒 DOHC 16バルブターボ
最高出力:300馬力/5600回転
最大トルク:40.8kg-m/2000〜4800回転
トランスミッション:CVT
価格:334万8000円

(文&写真:ダン・アオキ)

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