イギリス車の香りを期待してジャガー「XE」のドアを開けると、そこにあったのは、中途半端な懐古主義を寄せ付けない、グローバルな佇まい。それは、本気で闘うという意思表示なのでしょう。そのように確信しました。
かつての「レンジローバー」や「ミニ」、そして、直6エンジンを載せていた時代のジャガー「XJ」…。贅沢なコノリーレザーを使った本革シートやそのパイピング処理。深みのあるウォールナットの艶やかなパネル…。記憶にあるそうした気品ある装いが、ワタシにイギリス車の価値を再インストールしてくれるものとばかり思っていたのです。
そんな淡い思い出と鮮烈に決別させてくれたのが、新生ジャガーのミドルサイズスポーツサルーン、XE。イギリス車という縛りから完全に解き放たれ、立ち位置は完全にグローバル。BMW「3シリーズ」やメルセデス・ベンツ「Cクラス」、アウディ「A4」などと真っ向勝負を挑むのに、自らを進化させ、かつての流儀にとらわれることなく、あえて相手の土俵で闘う十分な準備を整えてきた、ワタシにはそのように見えたのです。
自らを“ゲームチェンジャー”と位置づけ、あえて激戦区へ正面突破を目論んでいるのです。
“駆け抜ける歓び”に迫る軽快な走行フィール
- 1
- 2