■そもそもなんで畳味にしたの?
「食べられるお箸 畳味」は、熊本県いぐさ・畳表活性化連絡協議会と、丸繁製菓が共同開発したお箸です。食用いぐさを原料としているため、使ったあとに食べられます。
しかし多くの人は、「そもそもなぜ畳味にしたの?」という疑問をお持ちでしょう。その謎を解くには、熊本県といぐさの深い関係を知る必要があります。
熊本県は古くから、畳の原料となるいぐさの産地として知られており、現在でも国内の生産量のほとんどが熊本県産です。しかし、住宅スタイルの洋式化にともない、ピーク時には約1万400戸あった農家が、いまでは約500戸まで減少してしまいました。
「食べられるお箸 畳味」は、いぐさ農家が減少するなか畳の認知度を上げる試みとして世に出されたのです。では、なぜ食べられる製品にしたのでしょう? そこには、「もっと畳を"口”にして欲しい」というユーモアが含まれています。
「食べられるお箸 畳味」は、「お箸なのに食べられる」「畳の風味を口で味わう」というふたつの意外性を突くことで畳のアピールに成功したわけです。はじめは都内・熊本の3店舗で限定販売されていたものが、各メディアやSNSで取り上げられたことで、いまや国内外で話題のお箸となりました。
■持った感覚は“ちょい太め”のお箸
実際の「食べられるお箸 畳味」は、ちょっと太めのお箸です。素朴な色合いや、木のような優しい温もりからは原料がいぐさとはわかりません。
食べ物も、普通のお箸と同じようにつかめます。力を入れ過ぎると折れてしまいますが、普段通り使っていればそう簡単には折れません。ちなみに、汁物のなかに入れても、ふやけずに使えます。