2016年2月に、メルセデス・ベンツが「GLCクーペ」の日本導入を発表した時は「いよいよSUVブームも終わったなぁ」と思ったものです。いや、SUV人気が下火になるということではなく、むしろその逆。
かつてはクロカンとかオフローダーと呼ばれ、少々特殊なジャンルと見なされていた車型が、今や完全に市民生活の中で定着した、と。有力な自動車メーカーはほとんどが、大型SUVからコンパクトモデルまでサイズ違いのコマをそろえ、より趣味的な派生車種にまで手を伸ばし、ラインナップのマトリックスを埋め始めたのですから。
SUVのトレンドセッターたるBMWは、2008年に早くも「X5」ベースのクーペ版たる「X6」を発売していましたし、その企業規模から、より先鋭的なマーケティングを実施しているランドローバーは、X6に遅れること3年。目の覚めるようなスタイリッシュなSUVクーペ「イヴォーク クーペ」をリリースしています。
GLCクーペは、皮肉な見方をすると「遅きに失した」といえるかもしれませんが、何しろメルセデス発、ですからね。守旧派のクルマ好き(←ワタシのことです)にとって、スリーポインテッドスターから“変わりボディ”が出るというのは、ある種の潮目を感じさせるものなんです。
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