駅前登山!?いつものトレーニング効果を何倍も高める「ハイアルチ+(プラス)」とは

■キツくても思ったほどの効果が得られない「平地」トレーニング

さて、ここから実際に体験したプログラムの内容をお届けしていくわけですが、その前に、ひとつ目安となる数値を確認。

右の「80(bpm)」は脈拍数、左の「97(SpO2)」は経皮的動脈血酸素飽和度です。注目してもらいたいのは左の“97”。「動脈血中のヘモグロビンが酸素と結合している割合」を示していますが、ここではSpO2が下がるほど“息切れ状態”にあると思っておいてください。つまり、運動後にこの数値が下がれば、「息切れするほど、めっちゃ激しく運動しましたね!」ということを知る、ひとつの目安になるということです。

ここで、新田氏の提案で実験を行います。

その場でもも上げダッシュ1分。やったことありますか? それなりに手を抜いてもシンドイです。目の前に新田氏がいるし、他の参加者は真剣にやっているので手も抜けません。めっちゃシンドイ。ここで、先程の数値を再計測。

脈拍数は2倍近くまで上昇しましたが、SpO2の数値は変化なし。何を意味しているかというと、「確かに心臓がドキドキするほど追い込んだけど、実際のところ、それほど運動効果は上がってませんよ」ということ。体感的にはけっこうキツくても、なかなか思うように運動の効果は得られないようです。足ガクガクいってますけどね。

■3000m超えの高地でレッツエクササイズ

これからコアトレ、ヨガ、RUN&WALKなどのプログラムを体験します。通常クラスの場合は別々のプログラムですが、今回はプレス向け体験コースなので、立て続けに受講します。

標高約3150m相当の酸素濃度にコントロールされた空間。富士山でいえば8合目くらいです。こちらもプレス向け体験ということで、体感しやすいように普段より高めに設定されています。2000mほどでも、充分に効果があるそうです。

初めはストレッチポールを使ったコアトレーニング。筆者の衰えに衰えた腹筋は悲鳴を上げていますが、高地状態ゆえのキツさは特に感じません。他人の声がわずかばかり遠くに聞こえるような、何とも形容しがたい違和感はありますが、問題なくプログラムをこなせます。

続いてヨガ。深い呼吸で、ゆっくりとカラダを伸ばしていきます。かなり運動量の少ない部類のヨガだと思うのですが、けっこう汗をかいています。激しく動いているわけではないのでキツさはなく、また部屋が暑いということもないのですが、それにしては発汗が多い。どうやら高地状態の影響がジワジワと出ているようです。

隣の部屋に移動し、自走式ランニングマシンを体験。先ほどの部屋よりもさらに高度が上がり、こちらは3700m前後に相当。富士山の頂上近辺です。

おや? 急に足元がフワフワと。。。

どうやらこの高度が、筆者にとってギリギリのラインみたいです。他の人たちはそうでもないようなので、感覚にはかなり個人差がある模様。寝起きのような、ちょっとボーッとする感じ。ただ、頭痛や吐き気など不快な症状はないので、高山病ではなさそう。

新田氏にお聞きしたところ、「酸素は薄いですが気圧に変化はないので、高山病などの心配はありません。また、実際のプログラムではスタッフが心拍数や血中酸素濃度を計測しつつ、適切なトレーニング内容をプランニングしますので、無理なくトレーニングをすることができます」とのこと。

しかも、仮に具合が悪くなったとしても、ドアを開けて外に出るだけで通常の平地環境にすぐ戻れる。本物の高地なら、高度を下げるのにそれなりの労力を要しますが、この手軽さも駅前高地トレーニングの優れた点と言えそうです。

足元のおぼつかない状態なのでランに移行することは出来ず、ウォーキングとも呼べないペースでちんたら歩くこと数分。大して動いてもいないのに汗ダラダラ。これにて一連の体験コース終了です。

■キツくはないのに全身ぐったり

プログラム終了後、すかさず再び数値を計測。プログラム前は“97”だったSpO2が、何と“81”まで落ちています。もも上げで追い込んだときはビタイチ変わらなかった数値が、一気に16も低下。プログラムの最中にキツい、シンドいと感じるようなハードな運動はひとつもなかったのですが、カラダは激しいトレーニングだと認識して反応しているようです。

確かに、ずっしりと重い倦怠感が全身にあります。感じ方にはかなり個人差があるようですが、プログラムの最中は「やや拍子抜けするほど軽めの運動」→終わってみると「ぐったり疲労感」と感じる方が多いようです。

1プログラム30分と短時間なので、話のネタ程度の軽い気持ちで、まずは体験してみると良いのではないでしょうか? 2017年8月から新プログラム「トランポリン」も登場したので、そちらもぜひ楽しんでみてください。

>> ハイアルチ


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(取材・文/太田史郎)

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