【オトナの社会科見学】石油ファンヒーター10年連続シェア1位!ダイニチ工業で“新潟のモノづくり”の現場を見た

■意外と高い石油ファンヒーターの普及率

ダイニチ工業の主力商品は、石油ファンヒーターと加湿器です。1964年創業の同社は、石油ファンヒーターは10年連続販売台数シェアNo.1、加湿器は3年連続メーカー別数量・金額シェアNo.1を誇る業界最大手。ほかにも、業務用の大型石油ストーブや、セラミックファンヒーターを作っています。

同社の代表取締役社長である吉井久夫氏によると、「かつては石油ファンヒーターを作っていた企業は10社前後あったが、ほかのメーカーが辞めていったことで、いつの間にか弊社のシェアが伸びていた」そうです。もちろん、シェアが伸びた理由は同社製品の質の高さにもあるのですが、それはまたのちほど。

▲ダイニチ工業 代表取締役社長 吉井久夫氏

ファンヒーター自体の普及率は、現在52%ほど。しかし、100世帯あたりにつき95台あるそうで、計算上では1世帯に2台あることになります。やっぱり複数台使うのが当たり前なんですね。

 

■石油ファンヒーターって何がいいの?

石油ファンヒーターのいいところとして最初に挙げたいのは、加湿しながら室内を温められる点です。灯油を1リットル燃焼すると、1000mlの加湿になるそう。乾燥はウイルスの蔓延などの原因にもなりますし、いちいち加湿器を使わなくても部屋の湿度を保てるのは魅力的です。

とはいえ、これまでの石油ファンヒーターといえば、着火に時間がかかったり、点火・消火時に臭いがしたり、給油が面倒といった問題があるのも事実。そこで同社の製品では、これらの問題を見事にクリアしています。

着火については、40秒という短時間での着火を実現。また。点火・消化時の臭いをカットする仕組みにし、9リットルの大容量タンクも採用しています。実際にこれらのポイントを他のメーカーの製品と比較した様子を見せてもらいましたが、本当に着火も早いですし、灯油臭も一瞬で消えるレベルです。

また、大容量タンクは持ち運びがしやすいように、上下に取っ手がつけられているなど、工夫ポイントが満載です。

実際に実家で石油ファンヒーターを使っているのを目の当たりにしている身としては、この3つの問題が解消されているというだけで、ダイニチ工業の製品を選ぶ消費者の気持ちがよくわかります。

さらに、日本製としては業界初の本体3年保証も行っています。寒い地域でヘビーに使われるであろう石油ファンヒーターですが、どのような作業工程で3年保証できるほどの品質を生み出しているのでしょうか?

【次ページ】複数の試験を経たうえで出荷するこだわり

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