■やっぱりカメラの新機能、気になります
新機種の話題になると、カメラ機能が一番気になるところです。とはいえ、この記事にたどり着いた皆さんなら、「iPhone X」や「iPhone 8 Plus」がデュアルカメラを搭載していて、「ポートレートライティング」なる新機能を使えることはご存知なはず。
「ポートレートライティング」は、単純なフィルター効果ではありません。機械学習によって細やかな処理を行っています。これにはA11 Bionicチップのニューラルエンジンが貢献しています。
分かりやすいのは「輪郭強調照明」を選択したとき。単に、全体的なコントラストが高くなるのではなく、被写体の鼻の頭やほほ骨などにハイライトが入り、陰になっているアゴ周りの輪郭付近のみにシャドウが入ります。これによって凹凸がくっきりと浮かび上がる仕組みです。
「ステージ照明(モノ)」も楽しいエフェクトです。背景が黒くなり、被写体がモノクロで引き立ちます。これをカメラ素人が撮れるのだから驚きです。
輪郭がはっきりしていれば、モノだってかっこよく撮影できます。せっかくなのでiPhone 8を撮ってみました。もうこのまま雑誌の誌面に使えそうです。
ポートレートライティングを利用した作例については、別の多くの記事でも同様に紹介されていると思うので、この程度にしておきましょう。
さて、筆者が本当に気になったのは、“じゃあポートレートが使えない「iPhone 8」のカメラはどう変わったの?”という点でした。
■ご飯の写真で、お腹が空きそうだ!
まずはこちらをご覧ください。
続いて、焼き鳥をアップで。
刺身もあります。
続いてデザートも。
左右の写真をよく見ると、色味が結構違います。 特に注目していただきたいのは、「赤」と「白」の2色。もうお気づきかもしれませんが、左が旧機種(iPhone 7)で右が新機種(iPhone 8)で撮影した写真です。
例えば、最初の写真では、暗くなってしまっていた木のお椀や箸が、木目まで見えるようになりました。ごはんやビールも温かみのある色合いになり、よりおいしそうに写っています。
同様に、最後の写真では、イチジクの身や、ミニトマトの赤色がより鮮やかになっています。梨の果肉が白飛びしておらず、表面の凹凸感が伝わります。
iPhone 8/8 Plusは、アップルが独自設計したISP(画像処理プロセッサ)を搭載。暗所でのオートフォーカスを高速化したほか、帯域ごとにノイズ処理を行う仕組みもハードウェアとして実装しています。実はいろいろ進化しているのです。
しかし、おそらくユーザーとして直観的に分かりやすいのは、カラーフィルタが改善されたということ。前述の通り、ごはんを撮影すると、より温かみのあるカラーバランスで再現されるわけです。
料理写真を撮ったとき、やや青白く写ってしまい「ちょっと違うな」とがっかりすることはもうありません。よりカメラ初心者でも扱いやすくなっていると言えるでしょう。しかも、色味の調節が控えめで、後から好みで追加補正をしやすくなっている点もiPhoneならではの良いところです。