先行レビュー:コレは買い!Apple Watch Series 3でモバイル通信を試してみた

■ランニング中にはSiriで周辺施設を検索

筆者はマラソンの練習をするとき、長距離を1~2時間かけてのんびり走ります。気分転換も兼ねて自分の知らない道を選択することも多々。そんなときに、Apple Watchで周辺情報を検索できるのは、非常に便利です。

特に、こういった場面では、水分補給やお手洗いの場所を確認したいもの。近くのコンビニを調べられるのは非常に助かります。Apple Payを登録しておけば、ウォッチで会計も済ませられます。財布を持ち歩く必要もありません。

▲「Hey Siri」のボイスコマンド、またはデジタルクラウン(リューズ)を長押しでSiriを起動させる。「近くのコンビニ」と話し掛けると、候補を検索してくれる

Apple Watchの盤面サイズでは、細かい文字入力は面倒です。検索を行う際には、Siriとの連携するのがオススメ。これも従来はiPhoneとの連携が必要でしたが、ウォッチ単体で行えるようになりました。音声で返答してくれるようにもなっています。

▲そのまま「マップ」でナビゲーションも利用可能

 

■ただし、モバイル通信はやはりバッテリーを大量消費する

さて、気になる電池持ちについて。結論から言うと、モバイル通信を常に有効にしておくと、電池消費がかなり早くなります。特に長電話は要注意。5分間くらい通話したらバッテリーが10%程度減っていました。

公称値ではLTE・Bluetoothの両接続で最大18時間駆動可能とのことですが、アプリを使用すれば使用時間は短くなるもの。人によって装着し続ける時間に差はありますが、筆者の場合は朝から着けて帰宅前に電源が切れてしまいました。正確に測ってはいませんが、大体10時間前後といったところでしょうか。

▲手元にiPhoneがあるときは、「モバイル通信」はなるべくオフにしておくとよい

しかし、手元にiPhoneがある時間帯はApple Watchでモバイル通信を利用する必要はないので、機能をオフにしておけば長時間使用できます。この場合、丸1日装着していても60~80%のバッテリーが残っていました。ちなみに「モバイル通信」はApple Watchのコントロール画面からオン・オフを切り替え可能です。

▲iPhoneの「Watch」アプリで「マイウォッチ」→「一般」を選択。同画面から「ワークアウト省電力モード」を有効にできる

iPhoneの「Watch」アプリの設定には、「ワークアウト省電力モード」という機能も用意されていました。これをオンにすると、ワークアウト時にモバイル通信と内蔵心拍数センサーがオフになります。消費エネルギーなどの計測精度は下がりますが、長時間のワークアウトを行う際に、バッテリー駆動時間を伸ばすことが可能です。

▲ちなみに、iPhoneの電源を切っていても、iPhoneで登録してあった「Wi-Fi」には自動で接続されるようだった

 

■高度測定や心拍数の分析はトレーニングに便利

Apple Watch Series 3では、新たに高度計が搭載されました。ワークアウトを使用した際に、どのくらいの高度を上昇したかが測定できます。実際に試したところ、測定できるのは上昇した高度のみ。ワーウアウトで坂道を下るように走ってもその高度変化は記録されていませんでした。

▲アクティビティアプリの「ワークアウト」タブで、運動のログをチェック。「上昇した高度(ウォッチでは獲得高度)」という項目が表示される

例えば、山道を走るトレイルランニングでは、トレーニングの指標として距離だけでなく上昇した高度の総計を指標にすることがあります。Apple Watch Series 3では、そうした記録も可能というわけです。

また、普通のランニングでも、コースの高度変化は重要な要素です。そのうち、コース全体のアップダウンを測定できるサードアプリが登場してくるかもしれませんね。

▲最大心拍数や平均心拍数も確認できた。画面は「ヘルスケア」アプリで表示されるグラフ

ワークアウトでは、心拍数も詳細に確認できるようになっていました。ワークアウト中の平均心拍数、最大心拍数、時間ごとの変化などを後からチェックできます。心拍トレーニング(心拍数を指標にして目的の運動強度を得る方法)を意識したい場合には、最大心拍数や平均心拍数をセルフチェックできるとありがたいですね。

 

■新バンドはサーファーに最適か

新たに登場した「スポーツループ」バンドも試してみました。バックルは、面ファスナーになっており、先端についたカギ部分が、バンド表面のループに引っかかることで固定されます。バンドの表面は少しモコモコしているので、一見「暑いかも?」と思いましたが、実際に腕に巻いてみると、それほど気になりませんでした。

▲「スポーツループ」バンド

スポーツループのメリットは主にふたつ。ひとつ目は、万が一バンドが取れてしまった際にも、ループ状の形状のため手首から落ちにくいということ。海の中でApple Watchを使用した場合でも、うっかり海中に沈ませるという心配が減りますね。乾きやすい素材でもあるので、サーフィンを楽しむ人などに最適かもしれません。

ふたつ目は、バンドを固定する長さをミリ単位で調整できるということ。スポーツループの固定は穴の位置に依存しないので、微調整しやすいのです。Apple Watchをピッタリと装着できることは、心拍数の計測精度が高まることにつながります。

*  *  *

モバイル通信をサポートしてさらに便利になったApple Watch。その使い勝手の良さも相まって、私たちのモバイル機器活用を一変させる可能性を秘めています。まだApple Watchを使ったことがない皆さんも、いまこそ手を伸ばすのに最適なタイミングです!

>> Apple「Apple Watch」

 


[関連記事]
現地レポート:Cellular対応の「Apple Watch Series 3」が時代を変える

現地レポート:iPhone Xがよくわかる10個のポイント

新iPhone発売前に知っておきたい「iOS 11」10の進化点


(取材・文/井上 晃

いのうえあきら/ライター

いのうえあきら/ライター

スマートフォン関連の記事を中心に、スマートウォッチ、ウエアラブルデバイス、ロボットなど、多岐にわたる記事を雑誌やWebメディアへ寄稿。雑誌・ムックの編集にも携わる。モットーは「実際に触った・見た人だけが分かる情報を伝える」こと。編集プロダクション「ゴーズ」所属。

トップページヘ

この記事のタイトルとURLをコピーする