クルマを受け取り、いざスタート! と、その前に、現行CX-5のラインナップについて、改めておさらいしておきましょう。
駆動方式は、エントリーモデルとなる2リッター車はFF(前輪駆動)のみですが、その他のエンジンでは4WD仕様も設定。搭載されるエンジンは、ガソリンとクリーンディーゼルの2本立てで、ガソリンは2リッター(155馬力)と2.5リッター(4WD=184馬力/FF=190馬力)、ディーゼルは2.2リッターのターボ付き(175馬力)が用意されます。
ボディサイズは、全長4545×全幅1840×全高1690mmと、市街地でも持て余すことのないディメンションで、装備に応じてガソリン車、ディーゼル車ともに3グレードが用意されます。
さて、横浜から八ヶ岳方面へと向かうルートはいくつかありますが、高速道路を使った最も短いコースを進めば、行程は約180km。2時間半ほどで到着します。しかし、自由気ままに寄り道できるのも、クルマ旅の楽しさ。そこで今回は、横浜から乗った高速道路を相模原で降り、“道志みち”と呼ばれる峠道を経由して、まずは山中湖を目指すことにしました。
実はこのルート、行楽渋滞とは無縁なのですが、大小のカーブが続く区間があり、ドライバーにも同乗者にもありがたくないコースかもしれません。
ステアリングを握るCX-5には、ハンドル操作に応じてエンジンの駆動トルクを変化させ、スムーズな車両挙動を実現する制御技術“GVC(G-ベクタリングコントロール”が搭載されています。GVCは、ハンドル操作の修正量や、修正の頻度を軽減し、乗員にかかるGの変化をなめらかにする電子制御デバイスです。
まさに“人馬一体”をクルマづくりのテーマに掲げるマツダらしいテクノロジーといえますが、実はその効果を体感することは、案外難しいのです。というのも、クルマとの一体感が高まることで体の揺れが減り、乗り心地も向上するというのがGVCの主な効果なのですが、峠道やロングドライブで“疲れを感じない”というのは、なかなか実感できないことなのです。とはいえ今回、約40kmにおよぶ道志みちでもハンドル操作で不安を感じたことはありませんでしたし、助手席に座っている時でも、体や頭が不意に揺れることはありませんでした。
山中湖畔でひと休みした後、中央自動車へと上がり、双葉サービスエリアに併設されたスマートインターチェンジで高速を降ります。山梨といえば、日本におけるワイン発祥の地。ということで、甲州ワイナリーをめぐるべく「シャトレーゼベルフォーレワイナリー」へと向かいます。
ここは、ワインの製造過程やワインセラーの見学ができるだけでなく、敷地内のぶどう畑や背後の八ヶ岳、遠くに見える南アルプスというロケーションもあって、ちょっとした異国情緒も楽しめます。また、ワイナリーでしか飲めない樽出し生ワインなどの試飲もできる…のですが、今回はドライブ旅なので試飲は我慢。ワインの販売コーナーやチーズ工房もあるので、お土産選びに専念します。
1軒目のワイナリーを後にして、甲州街道を北西に進みます。30分ほどで甲斐駒ケ岳が間近に見える山梨県北杜市に入り、ほどなく2軒目となる「シャルマンワイン山梨ワイナリー」に到着します。
シャルマンワインは、1888年に江井ヶ嶋酒造として設立。1919年には百合ブドー酒、1921年には白玉ホワイトワインを発売した老舗醸造所です。1万6000㎡のぶどう農園に囲まれたワイナリーは、標高600mという丘陵地にあります。標高だけでなくその冷涼な気候は、ワイン用ぶどうの栽培に適しており、フランス・ボルドーにも匹敵する好条件を備えているのだそうです。こうした環境を生かし、シャルマンワインでは、ヨーロッパ系ワイン専用ぶどうを栽培し、本格熟成ビンテージワインの醸造に取り組んでいます。もちろん、敷地内の直売店では、試飲や販売も行っています。
今回は2件のワイナリーを訪ねましたが、山梨は明治初期からワインづくりに取り組んできた国産ワイン発祥の地。現在では約80社のワイナリーがあり、国内生産分の約30%を生産しています。また、近年では品質も急速に向上。“甲州ワイン”として海外でも高い評価を得るようになりました。ワイナリーめぐりというと海外というイメージをお持ちの方もいるかと思いますが、東京からでも日帰りや1泊程度で十分に楽しむことができるのです。