2軒目のワイナリーを後にした時点では、夕方というにはまだ早いという時刻。そこで、ちょっとだけ足を伸ばすことにし、清里、野辺山方面へと向かいます。
甲州街道から小淵沢インターチェンジを目指し、そのまま北東へ。中央道をくぐった辺りから急な上り坂が続き、気温も下がり始めます。そのまま20mほど山道が続きますが、CX-5は急な上り坂、タイトなコーナーを力強く、かつ軽快にクリアしていきます。特に目的地は決めていませんでしたが、清里を過ぎた辺りでは、風の涼しさから標高の高さを肌で感じるようになります。
東京や神奈川から寄り道をしながら約250km。八ヶ岳周辺というと、近くも遠くもない距離感ゆえ、普段はじっくりと訪れることのなかったエリア。本音としては、クルマで来るにはちょっと面倒かな、と思っていましたが「走ったな!」という達成感を得るには、ちょうど良い距離でした。もしかしたら、開発に当たって“人間中心”を重視したCX-5だったからこそ、さしたる疲労を感じることもなく、長距離ドライブの心地良さだけを実感できたのかもしれません。
さて、現在地はというと、国立天文台の巨大電波望遠鏡やJR最高地点で知られる長野県の野辺山周辺。そして、時計を見ると間もなく日没を迎える時刻。「もっと遠くへ…」という気持ちもありましたが、今回はそこで帰路に就くことにしました。本当は、天文台の見学や周辺の散策もしたかったのですが、それはまた次の機会に。CX-5なら、数百km程度のドライブなんて、大したコトではありませんからね。
ちなみに、今回のロングドライブでは、道中、ガソリン車とディーゼル車の乗り比べも行いました。
まず皆さんが気になるのは、燃費かと思いますが、ガソリン車で11km/L強、ディーゼルはその10~15%増しというのが、おおよそのデータです。2名乗車+撮影機材、そして全行程の約半分がアップダウンの続くワインディングであったことを考えれば、納得いく結果ではないでしょうか。
そして双方のドライビングの感触は、甲乙つけがたい、というのが正直なところ。高速道路を淡々とクルージングする、また、上り坂が続くという状況ではトルクフルなディーゼルが、一方、ワインディングや街中でキビキビとしたドライブを楽しみたいなら、ガソリンかなという程度の違いにすぎません。
確かにガソリンエンジンの場合、中央道などの勾配の大きい坂道ではシフトダウンするといったシチュエーションも少なからずありましたが、ショックそのものを感じることはありませんでしたし、伸びやかな加速感も魅力といえるのではないでしょうか。静粛性も良好で、長距離クルーザーとして高い資質を備えるディーゼルモデルですが、ドライビングという行為を楽しみたいという方には、ガソリンモデルもまた捨てがたい選択肢になると思います。
<SPECIFICATIONS>
☆25S Lパッケージ(4WD)
ボディサイズ:L4545×W1840×H1690mm
車両重量:1610kg
駆動方式:4WD
エンジン:2488cc 直列4気筒 DOHC
トランスミッション:6速AT
最高出力:184馬力/6000回転
最大トルク:25.0kg-m/4000回転
価格:321万3000円
<SPECIFICATIONS>
☆XD Lパッケージ(4WD)
ボディサイズ:L4545×W1840×H1690mm
車両重量:1680kg
駆動方式:4WD
エンジン:2188cc 直列4気筒 ディーゼル+ターボ
トランスミッション:6速AT
最高出力:175馬力/4500回転
最大トルク:42.8kg-m/2000回転
価格:352万6200円
(文&写真/村田尚之)
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