■素材やオイルにこだわった手作りのツナ
訪れたのは、ツナのオイル漬け専門店「おつな」。店頭には、プレーンのほか、ドライトマト味やバジル味など常時8~10種類の手作りのツナのオイル漬けが並んでいます。
「マグロは臭みが少ないトロビンチョウ。塩は旨みがあるのでゲランド塩を使っています。それを昆布と野菜のスープで煮てから、オイルに漬けて完成。オイルはメインがベニバナ油のハイオレイックを使って、国産の米油やごま油などをブレンドしています」と店主の関根仁さん。
マグロの善し悪しは値段や脂ののりなどではなく、“身質”で決まるのだとか。もともと料理人であり、20年築地に通い、魚を仕入れてきた関根さんならではの“目利き”で選んだマグロが使われています。
「オイルにもこだわっています。一般的なツナ缶に使用されているのは、リノール酸が多く含まれるオイルですが、おつなでは体に優しいといわれるオレイン酸を多く含むオイルを使っています。ツナの旨みが溶け出しているので、残ったオイルは捨ててしまわず、パンにつけたり、炒め物などの料理に使ったりして全て食べるのがおすすめです」
■こだわりのツナを試食
店内では試食が可能とのことで、早速いただいてみることにしました。
「プレーン」は、素材のおいしさがわかるシンプルな味。「そのまま食べてもおいしいですが、アボカドと和えてレモンを絞ったりしても合いますよ」と関根さん。
次は「ガーリック味」。かなりニンニクがきいているので、そのまま食べるよりも炒め物などの料理に使うとよいかもしれません。
人気ナンバー1という「ドライトマト味」。イタリアンな味わいです。
こちらも人気の「バジル味」。ワインに合いそうです。
店主もイチオシの「島唐辛子味」。ピリっと辛い島唐辛子がツナとの相性◎! 酒の肴に最高。個人的はこれが一番気に入りました。
秋の味覚として登場した、「ポルチーニ味」。フランス産の最高級ポルチーニが入っています。「これでリゾットを作るとおいしいですよ」と関根さん。ご飯とポルチーニ味ツナをスープストックで煮込み、仕上げにバターをひとかけおとせば、リッチなポルチーニリゾットが完成!
ハロウィン限定の「悪魔風」はニンニク、唐辛子、ローズマリーをきかせて、カロチーナオイルで赤く染めてあります。スパイシーな味付けをイタリア料理でディアボロ風(悪魔風)ということから、この悪魔風フレーバーが完成。
和風の味付けのツナも欲しい、というお客様の声から誕生したという一品。東北の郷土料理である「大葉味噌」が入っています。ホカホカのご飯にのせて食べればおいしいこと間違いなしの味。お好みの野菜と一緒に炒めれば、調味不要で簡単に味噌野菜炒めが作れます。
どのツナも、一般的なツナ缶のイメージとはちょっと異なる重厚な味わい。しっかりしていながら柔らかなマグロの肉質は、魚というより鶏肉に近いかな、と思いました。