【使ってみた】AWA、LINE MUSIC、Apple Musicはどう選ぶ?

「Apple Music」は知らない音楽との出会いを楽しみたい人向け

2015年7月に開始した「Apple Music」は、Appleが提供する定額制音楽配信サービスです。個人プランは月額980円、家族6人で共有できるファミリープランは月額1480円。ひとりで使うのであれば、これまでの定額制音楽配信サービスとほぼ同等の料金で使えます。

公表されている配信曲数は「数百万」とかなりアバウト。ラインナップを見ていくと、2015年8月現在、ソニー系アーティストの配信がないので、邦楽は弱い印象。筆者は邦楽バンドをよく聴くので、これはなかなかの痛手です……。その反面、洋楽やインディーズ系のアーティストの楽曲が充実しているので、そういったアーティストが好きな人には最良のサービスでしょう。

Apple Musicの最大の魅力は、「For You」機能です。最初に好きなジャンルやアーティストを選択することで、好みに合わせた独自のプレイリストをリコメンドしてくれます。

最初のうちは提案されるプレイリストのなかにピンとこないものもありますが、聴取傾向を学習するので、徐々に精度が上がってきました。洋楽に疎い筆者ですが、このレコメンド機能のおかげで気になる音楽に出会う機会が増えています。

とくに、「はじめての~」シリーズのプレイリストがいいんです! 気になるアーティストの代表曲をサクッと聴けるので便利ですよ。

あと、iTunesで購入した楽曲や、CDをリッピングして保存した楽曲を「My Music」で管理できるのもお気に入り。また、オフライン再生にも対応するので、地下鉄などの圏外でも使えます。通信量を節約したい場合は、あらかじめWi-Fi環境でダウンロードしておくといいでしょう。

Apple Music内の楽曲はMy Musicに登録できるので、ライブラリの楽曲とApple Music内の楽曲を一元管理できます。

24 時間放送で発信するラジオ「Beats 1」や、DJ がキュレーションを手がけるオンデマンドのステーションを楽しめる「Radio」機能は、目玉機能のひとつです。

とはいえ、個人的には他のインターネットラジオアプリとの差別化が少ない気が……。特集ステーションの種類がもう少し増えると楽しそうです。

自分が好きなアーティストの最新情報をアプリ内で確認できる「Connect」機能も、現状ではFacebookやTwitterで得られるような情報がメインなので、Apple Musicならではのメッセージが得られるようになってほしいですね。

手持ちの楽曲をすでにiTunesで管理していて、いろんな音楽に出会いたい。そんな人はApple Musicを選んで損はしません! 3か月の無料試用期間で使い心地を試してみてください。


 

聴いている音楽を友だちとシェアして楽しむ「LINE MUSIC」

 

6月にスタートした「LINE MUSIC」は、サービス開始時から150万曲以上の楽曲を配信する定額制音楽配信サービスです。

ラインアップは、J-POPやEDM、HIP-HOPなど若い世代が好むものが中心。コアな音楽好きには少々響きにくい気がしますが、トレンドの曲を手軽に楽しみたい人には魅力的なサービスです。

8月10日から正式提供を開始するのですが、500円で20時間/30日間の楽曲が聴ける「ベーシックプラン」と、1000円で時間無制限/30日間で楽曲が聴ける「プレミアムプラン」が用意されます。また、学生は300円/600円で使えるという太っ腹なプランも登場。初めてこの手のサービスを使う人にとって、月額500円は試しやすい料金ですね。

LINE MUSICの最大のポイントは、LINEでの「シェア」機能。たとえば、元気のない友だちに「この曲聴いてがんばって!」と伝えたり、家族に「いつもありがとう」という気持ちを音楽で伝えたりできます。

音楽を使ったコミュニケーションというのは新たな音楽配信サービスのカタチですね。

インターフェースについては、やや使いにくい印象。基本的にはプレイリストを楽しむか、検索して曲を聴くかに特化しているようです。

本サービスでは歌詞が見られるというのが、何気に気に入っています。ただし、対応していない楽曲もあります。


 

自分がレコメンダーになれる「AWA」

エイベックスとサイバーエージェントが共同でスタートした「AWA」。時間無制限でプレイリストとラジオ視聴が可能な月額360円のLite Planと、追加でオンデマンド視聴やプレイリストの作成/公開が可能な月額1080円のPremium Planがそろいます。利用開始から3カ月間は無料ですべての機能が利用できますよ。

AWAは現在数百万曲を配信しており、2015年末には約500万曲、2016年末には1000万曲の配信を予定しています。現状は、Apple Musicとほぼ同等ですが、ソニー系のアーティストの楽曲を配信しているので、邦楽には強いという印象です。

このサービスの特徴は、いろいろなユーザーが作成したプレイリストを楽しめる点です。

自分でプレイリストを作成して公開することができ、そのプレイリストが何回再生されたかや、何人がお気に入りに登録したかもわかります。

ジャンルや気分でプレイリストを選べるのも、AWAならではといえるでしょう。

ただ、残念なのは、オフライン再生やローカル音源の再生に現在は対応していないことです。今後対応予定なので、これらの機能が揃えばサービスとしての強みは増すと思います。

最期にもう一度、特徴をまとめておきます。

◎知らない音楽に出会えるリコメンド機能が強い「Apple Music」
◎友達に送ったり、シェアして楽しめる「LINE MUSIC」
◎いろんな人のプレイリストが聞ける「AWA」

これまでは「検索」で曲を探して楽しむものだった音楽配信サービスは、「レコメンド」というトレンドが生まれたことで、新たなフェーズに突入しています。スマホ時代ならではの楽しみを満喫しましょう!

(文/今西絢美)

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