■これってホテルなの?
「KUMU金沢」があるのは、観光客に人気の近江町市場と、デパートがあり数々のブランドショップが軒を連ねる香林坊との中間地点にあたる南町。この辺りは、銀行などが並ぶオフィス街です。「KUMU金沢」も、一見すると周辺のオフィスビルと変わらぬ雰囲気。それもそのはず、この建物、元々は繊維商社が入っていたという、築45年になる立派なオフィスビルだったのです。
その建物をリビタがリノベーションし、新たにホテルとして生まれ変わりました。
1階はガラス張り。開放的な空間が広がります。前を通った人は、カフェなのかなんなのかすぐには分からないかも。オフィス街らしい、主張しない雰囲気が好感を持てます。
中に入ってまず目に飛び込んでくるのは、天井に張り巡らされた木組み。コンクリート打ちっぱなしの空間にあたたかさをもたらしています。
壁を設けない広々した1階の中央には四角いカウンターがあり、ここがカフェの受付でもあり、そして「KUMU金沢」のフロントにもなっています。
フロントで受付を済ますと、右手奥にあるエレベーターで客室フロアへと向かいます。上にあがると、そこにはホテルのコンセプトである“シェア”を感じさせる空間が広がり、その空間を実現できる“リノベ”の可能性を体感できました。
■オフィスビルらしさを残した共用部にはシェアスペースが
エレベーターを降りてまず感じるのは“静か”だということ。シェアということで、ドミトリー的な雰囲気を想像していたのですが、静謐という言葉が似合う空間にちょっとびっくり。
そしてエレベーター近くには大きなテーブルが置かれたスペースが。棚には宿泊者なら誰でも使えるマグカップと「BALUMUDA The Pot」、そして蛇口が設置され、お茶などを淹れてホッとひと息や、同行者や他の宿泊者と語らえるようになっています。
シェアスペースの奥に進むと客室になります。元はオフィスビルだからこそ無機質な廊下をグレーに塗り、あえてその無機質な雰囲気を活かしています。
ではいよいよ、お待ちかねの客室を見ていきましょう。