「ポータブルシーン」の重量は11.3kg。ひとりの人間が持って移動できる重さです。11.3kgは決して軽くはありませんが、「電源を含んだ投光器」と考えるとそうでもありません。電源車や発電機が入れない荒地や室内などにも容易に持ち運べます。
広いハンドル部位に加えて専用のスリングを装備。肩掛けして運びます。基本的には車載用途が前提のライトなので、車から現場まで移動できれば充分という認識のサイズと重量です。
充電池は黄色い強化樹脂製のボディ内部にあり、同社のライトボックスシリーズで使用されているシールド鉛バッテリーを2個搭載しています。充電方法は付属するACアダプタにて可能。また、付属する12Vのシガープラグを車両に挿すことで、車のバッテリーを電源として使用することも可能です。内部充電池に頼らないのでさらに長時間の点灯が可能になります。
なお、充電池は90%まで充電するのに10時間ほどかかります。非常に容量が大きく、リチウムイオンでもないので充電時間はそれなりにかかります。基本的に充電しっ放しでも障害が発生するタイプの充電池ではないので、未使用時は充電しておくのが良いでしょう。
電源スイッチはトルグ式。3点ポジションになっており、中央がOFF 、「BATTERY」が内部充電池を使用し、「EXT PWR」が外部電源によって作動します。頻繁にON/OFFをするようなスイッチではないですし、目視で状態が確認できるこの仕様がベストかと思います。
アームの展開の仕方をご紹介します。
ボディ上面には、イラストで展開方法が説明されています。頻繁に使わない人でもこのイラストを見れば簡単に展開できると思います。
アームを立てるには、まずハンドル部分にあるピンを引き抜きます。ピンはランヤードでボディに繋がっているので紛失することはありません。
ピンを引き抜くとハンドル部分が中央から真っ二つに開きます。「カチッ」とロック音がするまで持ち上げるとアームが直立します。あとはアームにあるクイックリリースレバーを解放し、任意の高さまで伸ばしてレバーを倒せば完成です。慣れれば1分と掛からずに設営が可能です。
必要に応じて「ハの字」に広がる脚部を展開することも可能。アームを最大まで伸ばす際は脚部を展開したほうが安定すると思います。また、アームを直立させずに前方に伸ばすことで縦穴状の場所、例えばマンホールの中などを地上から照らすことも可能です。設置場所や状況に応じてさまざまな角度から照射できるユニークなアームです。
点灯する際はヘッド前面中央にあるストリームライトの意匠がある部分を押します。点灯後、連続してプッシュすることで3段階の調光が可能です。明るさは最大5300ルーメン、Lowでも1300ルーメンあり、連続点灯時間は最大18時間に及びます。
配光パターンは切り替え可能です。
「ポータブルシーン」に搭載されるライトユニットは同社のEフラッドHLとほぼ同じ。6灯のLEDを搭載し、比較的浅めのリフレクターで照射します。スイッチボタン部分を左右に回転することで、風防レンズに付いた可動式の拡散レンズが移動して直線的な配光を拡散光へと変えられます。非常に合理的で分かりやすいものです。
ヘッドは金属製で背面には放熱フィンが施されており放熱性に優れます。最大照度での点灯ではかなり熱を発するので取り扱いには注意が必要です。
直線的な光の飛びはあまりありませんが、広くそして均一に照らす能力は秀逸です。高い位置から投光するので照射面も広く充分に作業ができるほどの明るさです。
一段階明るい状態です。カタログスペックではこの明るさで9時間の連続点灯が可能。個人的にはLowのでの連続点灯でいいかな、と思います。
これはかなり明るい。ハンディライトとは異なる圧倒的な光の洪水が発生します。このモードでは充電池では連続点灯時間は4時間。充分と言えば充分ですが、連続点灯では外部電源に頼った方が良いかな?と思えるほどの明るさです。
消防・レスキュー、工事現場や作業現場などプロフェッショナルが使用する現場で活躍するポータブル投光器。PVの中ではレスキュー隊員が軽々と持ち運んでいるシーンがありますが、11.3kgありますからね、くれぐれも持ち上げる時は気をつけてください。
電源、ライト、アーム、充電器、そのすべてがひとつになったストリームライト「ポータブルシーン」は、電源を持ち込めない現場での活躍が期待できます。また、エンジンを使用しないため非常に静かなのが特徴なので、短時間の屋外イベント用の投光器としてもおススメできるかと思います。こちらの製品の防塵防水規格IPは67。雨天だけでなく粉塵、飛沫等がある現場でも使用可能なヘビーデューティーな投光器です。(アカリセンター価格:11万3940円)
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(文・写真/アカリセンター・HATTA)
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