多彩なラインナップはもちろんのこと、実車同様のカラーバリエーションをも用意するマツダエースのモデルカー。それはもはや、模型メーカーも目を見張るほどの製品群になりました。そしてマツダエースでは、現在、堀本さんと金谷さんのこだわりが凝縮された、1台のスペシャルなモデルカーの予約を受け付けています。
「ロードスター スカイアクティブシャシー 1/12スケールモデル」というネーミングからもお分かりのとおり、現行のND型「ロードスター」のシャーシを1/12スケールで精密再現した、ハンドメイドモデルです。
「300台限定ですが、ようやく生産の目処が立ちました。私もNDに乗っているのですが、パッケージングやメカニズムが素晴らしいな、と思っていたのです。ですから、それをご覧いただけるモデルをつくれないか、と思案していたのですが、開発陣と上司を口説くのに、あれこれ2年も掛かってしまいました(苦笑)。足まわりやフレームなどはホワイトメタル製で、ギヤボックスの部分は樹脂製と、パーツによって素材も使い分けています。あと、タイヤのトレッドパターンも、タイヤメーカーさんに許可をいただいて再現することができました」(金谷さん)
このシャーシモデル、国内で生産するため、ビジネス的には大きな利益を得られないのだとか。それでも購入した方々と、「クルマってこうなっているんだ」、「ここまで再現しているのか!」といった感動を共有したいという思いからつくりあげたそうです。また、このシャーシモデルは、これからもこだわりの詰まった製品をつくり続けるための布石であり、将来に向けての先行投資としての役割も担っているのだそうです。
「例えば、先頃リリースした革製のキーケースやカードケースなどは、実車のデザイナーにデザインしてもらい、さらに“メイド・イン・広島”で仕立てました。モデルカーに限らず、ノベルティのラインナップ数を増やしたいのはやまやまなのですが、単にマツダのエンブレムが付いた商品を、多くリリースすればいいというわけではありません。マツダを支持してくださる方々に、本当に喜んでもらえる商品、そして、背景にあるストーリーやスピリットを感じてもらえるアイテムを生み出していきたいと考えています」(堀本さん)
ロータリーエンジンの開発を例に挙げるまでもなく、マツダといえば製品開発に対して寡黙かつ実直、そして、ちょっと情熱的なイメージが。そんなDNAは、モデルカーやノベルティグッズを手掛けるマツダエースにも、しっかりと受け継がれているようです。
(文&写真/村田尚之)
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