■スマホで玩具の動きを制御できるのは楽しい
乾電池型IoT製品「MaBeee(マビー)」を開発したノバルス株式会社にお伺いして、実際に製品を試してみることに。今回、お話を聞かせてくれたのは、COO 兼 事業開発責任者の立山聡瑠(たてやま さとる)さん。
――まずは「MaBeee」がどのような製品なのか教えてください
立山: IoT機器を搭載した「次世代型乾電池」です。玩具・ライトなどの電池と入れ替えることで、その製品の挙動をコントロールできるようになります。
――IoT(Internet of Things)ということは、通信機能を使って機器から情報を取得したり、機器そのものを制御できたりするわけですね。
立山:そうです。見た目は単三電池の形状ですが、この中にモジュール(基板)が入っています。ここに単4電池を入れることで、電力の強弱をスマホでコントロールできます。しかも単4電池を交換すれば繰り返し使えます。
今使っている機器の単三電池と差し替えるだけで、簡単に遠隔操作ができるようになるなど、IoT体験が気軽にできるというのだから驚きだ。そういえば自宅にも単三電池を使う機器がいくつかある。「あの機器に入れたら面白いんじゃないか」と、考えただけでワクワクを感じる商品だ。
■さっそく体験。単機能が「多機能」に!
さっそく電池式のランタンで試してみた。手順としては、ランタンの電池(単三)を「MaBeee」に交換。ライト専用アプリ「MaBeee ライト」を立ち上げるだけ。
アプリ画面には「明るさ」のバーが表示され、このバーの目盛りを左右に動かすことで照度を調整できる。ON/OFFで点灯させる機能しかなかったランタンだが、明るさを無段階に調整できるようになった。
▲5秒後に付けたり、5秒後に消したりできるなどタイマーを使ったON/ OFFも可能。アプリは音量で明滅の強弱をコントロールできる機能もあり、音楽と連動して点滅させるといった演出も可能だ
――「MaBeee」を開発するきっかけは?
立山:代表の岡部が主催して始めた、「ヤミ研ワールド・カフェ」という名のコミュニティがきっかけです。そこでは、多様な業種、経験を持つ人たちが集まって、自由な発想とワクワクするアイデアをスピーディーに形にする新しいものづくりに挑戦していました。
紆余曲折あるなかで「電車のおもちゃが、遊び手が意図した場所で停車できるもの」が作れたら面白い!というアイデアが生まれ、そこから「MaBeee」の開発に繋がりました。さらに「電池型にしたら世界が広がるよね」とひらめき、電車だけでなくミニ四駆などのスピード調節もできたら、という考えも生まれました。
――乗り物のスピードを自由にコントロールできるので、遊び方も新たに広がりそうですね。
立山:ミニ四駆の場合、急なコーナーがあるコースを作って走らせれば、トラックレーシングのような遊びもできます。さらに臨場感を持って楽しめるように、クルマ用の「MaBeee Racing」や電車用の「MaBeee Train」などの専用アプリも開発しました。
――わざわざクルマや電車などの専用アプリも作るなんて、こだわって作られていますね。しかもクルマのアプリ「MaBeee Racing」は、メーターの針が小刻みに震える演出まで用意されていて、こだわって作られているのが感じられます。
▲「MaBeee Racing」アプリでは、家庭用で有名なレースゲームの開発者が関わっているとのこと。メーター表示も本格的だ
▲「MaBeee Train」アプリでは、スマホの傾きで動くほか、画面内の操縦レバーを動かすことで、新幹線のおもちゃのスピードをコントロールできる。
――ほかの玩具で使っても、面白いことができそうですね。
立山:電池で動くぬいぐるみは、声をかけたときだけ動かせるようにもできます。子供が「おいで、おいで」と喋りかけたときに、ぬいぐるみが声に応じて近寄ってくる、というような遊びが可能です。同時に最大10本の「MaBeee」をひとつのスマホでコントロールできるので、大量のぬいぐるみを一斉に動かすことも可能です。
――これは面白いですね。まるで、「だるまさんが転んだ」で遊んでいるような感覚に近いです。
▲ぬいぐるみが掛け声ひとつで動くのが面白い。複数の人形が一斉に動きだしたら、ちょっとしたドッキリにも使えそうだ
――ON/OFFの制御ができるだけで、こんなに面白い使い方ができるんですね。
立山:タイマーのON/OFF制御を使って、電動歯ブラシの振動が終わるまで磨き続ける、といった「歯磨き教育」のようなこともできます。