かつて…具体的に言えば1990年代後半くらいまでだろう。日本で2ドアクーペやスポーツカーといえば、若者が乗るジャンルのクルマで、大人が似合うクルマではない、という空気があったように思う。
日産「シルビア」やトヨタ「セリカ」など“スペシャリティカー”と呼ばれる気軽な2ドアクーペやハッチバックがあり、上級車としてはトヨタ「ソアラ」などもあったが、いずれも日本においては“大人が乗るためのクルマ”という風潮は感じられなかった。
しかし、欧州では違った。実用性とは対極の存在といえるクーペやスポーツカーは“優雅さ”の象徴であり、ゆとりのある大人が乗るための乗り物だったのだ。
そして今、日本では国産のクーペ&スポーツカーは少なくなってしまったが、一方で、大人が似合う乗り物へと立ち位置が変わったように感じる人も少なくないだろう。重要なのでもう一度書いておこう。クーペやスポーツカーは今、大人が積極的に選ぶべき乗り物である。
なぜそんな話をしたか? 先日デビューして早速試乗したSUBARU「BRZ」の追加グレード「STIスポーツ」が、まさに大人に似合うスポーツカーだと感じたからだ。
【次ページ】STIスポーツの走りには「想定外」と「想像以上」があった!▶
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