水野和敏。
クルマ好き、とりわけスポーツカー好きならこの名前を知らない人はいないでしょう。元日産自動車のエンジニアで、現行型GT-Rの開発責任者として企画から販売までをすべて統括。カルロス・ゴーン氏に「ミスターGT-R」と言わしめた人物です。
水野氏は2013年3月をもって日産自動車を退社。ファンは2007年から販売されている日産GT-Rを、開発者の名をとり、2013年モデルまでを「水野GT-R」、以降のモデルを「田村GT-R」と呼んだりもします。
水野氏は2014年にHAITEC(華創車電技術中心)という台湾の自動車開発会社の副社長、そしてHAITEC JAPANの代表取締役、最高執行責任者に就任しました。HAITECは裕隆グループの一員で、グループはLUXGEN(ラクスジェン)という高級車ブランドを展開しています。
2017年11月2日、大分県のオートポリスでLUXGENを日本のメディアに公開する試乗会が開催されました。水野氏が開発に関わったモデルで、しかもサーキットを舞台に行われる試乗会となると、スポーツカーや高性能GTカーを連想しますが、目の前に並んだのはミドルサイズのSUV。なぜSUVなのか、そしてなぜオートポリスなのか。水野氏の言葉を交えながらひも解いていきましょう。