初めて対面した新型「N-BOX」の印象を包み隠さず正直にいうと「守りに入ったな」というものだった。エクステリアデザインの変化があまりにも少なかったからだ。
20m離れた場所に置かれたN-BOXを見て「新旧を判断せよ」といわれたら、自動車ライターとしては非常に恥ずかしい話だが、明確に判別する自信はない…。
人気車のフルモデルチェンジにおけるスタイリング変更は、とても難しい。もし大胆に変えて販売台数が落ち込んでしまったら「見た目を変えたせいで売れなくなった」といわれかねないからだ。
ホンダが“軽自動車事業のテコ入れ”として渾身の力を注ぎ込み、2011年12月にデビューしたN-BOXは、気がつけば“日本で一番売れている乗用車”に成長。2017年は10月末までの統計で、18万台弱を販売している。フルモデルチェンジの直前でも“販売台数トップ”の座に君臨。2017年の年間を通しても、普通車まで含めて“最も売れたクルマ”の称号を得るのは、確実と見られる超人気モデルである。
とにかく先代モデルは、売れに売れた。そういう意味で、スタイリングのテイストを変えなかった今回のフルモデルチェンジは、筆者の目に「守りに入った」と見えたのである。
- 1
- 2