1秒起動のデジタルメモなら失くさないしToDoとしても使えます【文具のツボ】

■基本の使い方は紙のメモと同じ

キングジムというと、デジタルメモ「ポメラ」が有名。キーボードを開いてすぐに電源が入るという機動性のよさから、ファンの多い製品です。

しかし今回紹介する、卓上メモ「マメモ」TM1は、同じデジタルメモでも液晶画面に直接文字を書き込むタイプ。画面をペンでタップしてすぐ起動できるので、電話を受けたときや、思いついたアイデアをとっさに書き留めるときに便利です。

▲画面をタップすると瞬時に起動。そのまま付属のペンで書き込もう

書いたメモは自動的に保存される仕組み。パソコンやデジタルメモにありがちな「保存し忘れてデータが消えた!」なんてことはありません。新しいメモを作成するときは、画面左下にある「+」アイコンをペンでタップすればOK。メモは最大99枚まで保存できます。

▲メモを新規作成するには、「+」をタップ

メモの作成時間を記録する機能も搭載。画面下部にある時計のアイコンをタップするとその時刻がメモに反映され、自分がそのメモをいつ書いたのか確認できます。

こうして時刻を記録しておくと、電話応対をした時刻を参照できたり、古いメモを削除するときの基準になるので便利です。

これだけのことができる「マメモ」ですが、単4電池3本で稼働するシンプルさ。一度電池を入れれば約7か月間使用できます。

 

■書き心地はソフト

デジタルメモというと無機質なイメージがありますが、「マメモ」の書き心地はとてもソフト。紙に書くのと似た感覚で使うことができます。また、デジタル製品に付属しているタッチペンって、「書いた文字が思うように反映されない」「アイコンをタップしても反応しない」ということがしばしばありますが、今回はそのケースが少なかったです。

ペンの形にもこだわりがあり、グリップ部分が少し太い万年筆のようなデザインになっています。握ったとき手に自然になじむので、こうした形状も書き込みやすさに一役買っているのでは。

文字の太さはシャープペンのような細い線と、サインペンのような太い線の2種類から設定できます。私としては、書いた内容がくっきり見える太い線の方が使いやすかったです。

▲「マメモ」では2種類の線を使える

文字の大きさを選択するには、画面右下にある「設定」アイコンをタップしましょう。次に「コントラスト」をタップし、ペンのアイコンをタップすると文字の太さを選択できます。

 

■アラーム機能でタスクのやり忘れを防ごう

アラーム機能を搭載しているのも、デジタルならではの特徴です。アラームを設定するには、メモを作成したあと「ToDo」アイコンをタップ。文字盤をタップしてアラームが鳴る日付や時刻を入力し、「OK」を選択します。登録した時間になるとアラームが作動し、タスクのやり忘れを防げます。

▲メモを作成したあと「ToDo」アイコンをタップ

▲アラームが鳴る時間を設定する

その日やるべきタスクを紙や付せんに書き出しTo Doリストを作る――。ビジネスマンの多くが実践しているスケジュール管理法ですが、当然のことながら紙は「仕事ですよ!」としゃべってはくれません。仕事が立て込んでくるとTo Doリストを放置して、うっかりタスクをやり忘れた、なんてこともありえます。

アラーム機能搭載のデジタルメモなら、たとえ自分がリストを作ったことを忘れていても、メモの方からその存在を教えてくれるのです。

 

■メモ魔にこそデジタルメモはオススメ

ここまでデジタルメモの特徴を説明してきましたが、それでも「紙の方が便利だよ!」という人もいるでしょう。確かに、書き出したメモを一覧してアイデアをまとめたり、伝言メモを人に渡したり、といった機能はデジタルメモにはありません。

しかし、ここであえて「デジタルメモの方が便利!」というポイントを挙げるなら、それは「絶対に失くさない」という点。どんなにメモを書いても、内容はデジタルメモ1台にまとまります。つまり、机のうえが雑多でも、「マメモ」の場所さえわかればメモを見失う心配はないのです。

いわゆる“メモ魔”で思いついたことをガンガン書く人も、雑務に追われてメモを失くすことがあるでしょう。かくいう私もそのひとり。せっかくのメモを失くして泣きを見たことが何度あるか…。これはそんな悲しい思いを二度としたくない、という人にこそ勧めたい製品でもあります。

サイズは約102×93×36mmと手のひらにも乗るようなコンパクトさ。机に置いても邪魔にならないので、すでに自分の机が“カオス”状態でも置きやすいと思います。

▲デスクに置いても邪魔にならないサイズ感

*  *  *

このように、アナログとデジタル両方の長所を備えた「マメモ」ですが、しいて"おしい”点を挙げるなら、保存したメモを一覧できない点です。過去のメモを参照するには画面上の「進む」や「戻る」アイコンをタップしなければならないので、メモが増えてくると紙のメモと同じように探しにくくなる可能性があります。

そうならないために、メモはこまめに削除することをおすすめします(メモを削除するのは、画面の「ゴミ箱」アイコンをタップ)。

▲メモを探すには「進む」や「戻る」アイコンをタップする必要がある

また、メモに「消しゴム」や「ひとつ戻る」機能がなかったのもおしいところ。デジタルのよいところって、アナログと違いやり直しができる点だと思うんですが、「マメモ」の場合、書き間違えたらデータそのものを1回消すか、間違えた文字を塗りつぶすしかありません。せめて「ひとつ戻る」ボタンがあればもっと便利なのに、と思いました。

とは言っても、「メモを失くすリスクが少ない」「アラーム機能つき」「メモの作成時間を記録できる」という特徴は紙のメモにはないのもです。販売価格は6279円。安いと言い切れない値段ですが、一度買えば半永久的に使えます。「もう絶対にメモを失くさない!」という決意を固めるために、導入してみてもいいのではないでしょうか。

>> キングジム「卓上メモ『マメモ』TM1」

 


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(取材・文/神戸紅実子

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かんべくみこ/エディター、ライター

編集プロダクション「ゴーズ」に所属。”平成生まれ昭和育ち”ながら、スマホやアプリに関する記事を若者文化に乗り遅れまいと執筆中。東横線ユーザーだが、ときどき中央線沿線にも出没する。

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