それでは、使い方を見ていきましょう。
全部で6つの部位に分かれます。最初は部位が多い上に、似たような外観のものがあるため複雑そうに思えるかも知れませんが、2~3回も使えば慣れるので大丈夫。
【1】計量スプーンに粉を入れる
すりきり一杯のコーヒー粉を入れます。挽き目が粗いと出来上がるコーヒーの味が薄くなることがあるので、粉末状の細挽き推奨。(※写真はやや粗い)
【2】抽出カップに粉を移す
金属フィルターの付いた小型のカップが抽出カップです。まず、計量スプーンの上に、さかさまの状態で抽出カップを乗せます。
そして、2つをくっつけたままでクルリとひっくり返してください。がっちりと接続されているわけではないですが、意外に密着度は高く、上下を入れ替えるだけでキレイに粉を移せます。
ちなみに、エスプレッソを抽出する際の定番となる手順「タンピング(粉をぎゅうぎゅうと押し固めること)」は必要ありません。カフェなどで使用される大型マシンの場合は高い気圧をかけられるので、しっかりタンピングしておかないと均一に抽出ができないのですが、ミニプレッソはそこまで高い圧力がかかるわけではないので、トントンと軽く叩いてならす程度で大丈夫です。
【3】本体に抽出カップをセット
ピストンの付いた筒状のパーツが本体です。ロゴで上下を確認し、上に抽出カップを乗せてください。凹凸がしっかり組み合わさるように注意しましょう。
【4】ノズルユニットを装着
抽出カップがセットできたら、その上からノズルユニットを装着します。時計回りで回転させると締まるので、きっちり締め付けましょう。
【5】計量カップ(お湯用)に熱湯を入れる
残ったカップの大きい方が、お湯用の計量カップ。内側の線までお湯を入れてください。
【6】計量カップ(お湯用)を本体にセット
本体の下側に、熱湯入りの計量カップをセット。こちらもノズルユニットと同様に、しっかりと締めてください。今回は熱湯が入ったカップを扱うので火傷に注意。
【7】ポンピングでコーヒー抽出
本体のピストン部分を回してロックを外すと、上の写真のように飛び出してきます。ここをプッシュして圧力をかけることで、コーヒーが抽出されます。最初の5~6回は空押しなので軽いですが、徐々に圧力がかかってきます。あまり早いスピードでプッシュを繰り返すと、正しく抽出されないことがあります。ワンプッシュ約1.5秒を目安に、ゆっくりしっかりプッシュしてください。
だいたい15~20回くらいのプッシュで抽出が終わります。最後に残った飲用カップに注いでください。抽出が終了すると圧力が軽減し、コーヒー自体が出てこなくなります。
出来上がり!
エスプレッソといえばクレマ(泡)、むしろクレマこそエスプレッソと言っても過言ではないほど大事なクレマも、しっかり確認できます。これほど簡易な道具で、これだけ完成度の高いエスプレッソが淹れられるのは驚きです。
■味わいのクオリティ高し
このミニプレッソは、軽量であり、かつ電源を必要としないという可搬性の高さ。そして、他の手動式エスプレッソマシンに比べてポンピングが楽。にも関わらず、味わいのクオリティが犠牲になっていないというトータルバランスの良さが、非常に素晴らしいです。
また、「エスプレッソは苦手」という人にもおすすめ。日本はペーパードリップが主流なので、エスプレッソは苦すぎるという人は少なくないと思います。なんなら筆者もそうです。そういう方は、ぜひカフェラテにチャレンジしてください。抽出したエスプレッソに倍の量のミルク(1:2)、そこにスプーン2杯の砂糖を加えると、まるでカフェで提供されるような高品質なカフェラテが楽しめます。自宅で本当に美味しいカフェラテを飲むというのは、なかなかの衝撃ですよ。
ミルクや砂糖の分量は、個々人の好みがあるでしょうからご自由に調整してください。生クリームを加えても、美味しくいただけるでしょう。もちろん、エスプレッソとしてそのまま飲んでもOKです。
ポットにお湯を入れていけば、公園でもどこでも気軽に楽しめます。「ミニプレッソGR」を持って、街に繰り出しましょう!
(取材・文/太田史郎)
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