■テレビ番組のドローン映像のような動画を誰もが撮れる
ドローン撮影の利点は、地上での撮影とは違う視点での映像が撮れること。スマートキャプチャー(ジェスチャー)機能を備えているため、ドローンでの自撮りのハードルが大幅に下がった。極言すれば、誰もがドローンで自撮りできるだろう。
だが、単に上空でホバリングさせ、静止画のような撮影をするだけでは、すぐに物足りなさを感じるはずだ。ドローン撮影の醍醐味は、上空からの動きのある撮影が撮れることにある。
これまでのドローンでは、そうしたダイナミックな映像を撮るには、ドローンに習熟する必要があった。映像を撮ることよりも、ドローンをコントロールすることに気を使わなければいけなかったのだ。
Mavic ProやSparkと同様に、Mavic Airには、ドローンを使った代表的な6つのダイナミックな自動撮影機能がプリインされている。それが、ロケット/ドローニー/サークル/ヘリックス(螺旋)/アステロイド(小惑星)/ブーメランの「クイックショット」機能。専用アプリを使って、数タップで多彩な撮影が可能だ。
「ロケット」は、真上に飛んでいきながら被写体を撮影。「ドローニー」は斜め上に飛行しながら遠ざかっていき、「サークル」は被写体の周囲を旋回しながら、「ヘリックス」は被写体の周囲を旋回しながら上昇していく撮り方だ。さらにMavic Airでは、「アステロイド」と「ブーメラン」という撮影方法が追加された。
もはや説明が難しいほどに複雑な撮影が、アプリを数タップするだけで可能に
ブーメランのような軌跡を描いて、被写体を撮影しながら飛行する
■買うべき最有力の本格撮影用ドローン
気軽に扱いたいユーザーから、本格的な撮影をしたいユーザーまで、本当に幅広い層に適したドローンだと思える。Mavic ProとSparkと、どれを購入しようか迷うだろう。だがサイズはSparkよりも小さく、搭載カメラの性能などはMavic Proと同等、それでいてMavic Proよりも手軽に撮れるスマートキャプチャー(ジェスチャー)機能を備えているMavic Airは、コストパフォーマンスがかなり高いと言えるだろう。
とはいえ、Mavic Airの重さはまだ430gだ。この重さでは航空法に引っかかり、本当の意味では手軽にも気軽にも飛ばせるものではない。
DJIには、できればサイズ以外のスペックをそのまま、もしくはアップグレードした上で、一層のダウンサイジング(200g以下)をお願いしたい。本格コンシューマー用ドローンの市場を、これだけ独占しているのに、意欲的な新製品を定期的にリリースしているDJIであれば、1年後は難しくても、数年後には実現させられそうだ。Mavic Airは、そんな可能性を感じさせてくれるドローンなのだ。
[関連記事]
ドローン最前線!誰でもプロ並みの飛行と撮影が楽しめる「DJI SPARK」の実力
スマホとアプリと実機で練習! ミニゲーム付き「DRONE STAR」でドローンを飛ばせるようになろう
(取材・文/河原塚英信)