▼日本特種ボディー(NTB)「SHONOBI」
トラックをベースにしたキャブコンは、ほとんどが白いボディです。理由は太陽光を反射させることで車内の温度上昇を抑えるため。でも本当は黒が好きだという人もいるはず。このキャンピングカーはブラックと濃い深緑を組み合わせたカーボンボディを採用。中の空気を循環させることで温度上昇を抑制することに成功したそうです。
「SHINOBI」はNTBが製作するASAKAZEをベースにオーナーの要望をフルオーダーで仕上げていくというもの。建売住宅や注文住宅ではなく自分の希望をすべて設計士に叶えてもらうのと同じ発想です。
写真のオーナーが目指したのは「和」の世界観。キャンピングカーと言えば軽キャンピングカーからキャブコンまで「ソファ+ベッド」という設計が当たり前でしたが、このSHINOBIは室内が総畳張りに。これまでありそうでなかったスタイルになっています。掘りごたつ風のテーブルを格納すれば3人分の布団を敷けるスペースが生まれるそう。手前左の畳の下は布団乾燥機付きの押し入れになっています。
バンクベッドも畳。SHINOBIという名前の通り、忍者屋敷のような作りになっています。
天井はJR九州のクルーズトレイン「ななつ星」をイメージしたつくりに。もちろん職人の手作り。
部屋の後方にあるふすまを開けると台所(キッチン)が出現。使わないときは見えないようにするのもオーナーのこだわりです。
運転席もふすまで隠して見えないように。停車中、余計なものが視界に入らないので、和の世界観にゆったりと浸れます。
玄関には地窓を連想させる間接照明が。優しい光でゲストを迎えるというおもてなしの心を感じます。
フルオーダーであるSHONOBIは、オーナーがどう仕上げるかで価格が大きく変わります。こちらの車両価格をオーナーから伺うことはできませんでしたが、SHINOBIのスタート価格が1489万8320円なので、決して安くはないはず。でも自分だけの動く家が手に入ったと思えば高い買い物ではなかったと話してくれました。
▼M・Y・Sミスティック「J-cabin HN For TOYOTA HILUX」
2017年10月、日本でも発売が開始された8代目ハイラックス。ピックアップトラックは日本ではなかなか根付かず、’04年に登場した7代目は日本で発売されませんでした。ところが8代目はグローバル展開から2年遅れで日本で発売されると大きな話題となり、’17年末時点で年間販売計画の2倍となる約4000台の受注が入っていると言います。そんなハイラックスの荷台に載せられる専用キャンパーが早くも登場しました!
ピックアップトラックの需要が高いアメリカではモーターホームやキャンピングトレーラーと並び、荷台に部屋を作るトラックキャンパー=トラキャンも人気。日本でも軽トラックの荷台に載せるトラキャンを多くのビルダーが製作しています。
ハイラックスサイズのトラキャンは迫力が違いますね! 見てください、この大きさを! 横にいる人の身長は170cm前後。積載時の高さは3mに迫る勢いです(まだできたてほやほやなので、ショップでも積載時の高さを正確に測っていないとのことでした)。キャビンのサイズは4320mm×1840mm×2130mmになります。トラキャンのいいところは使用しないときには荷台から降ろせること(置場の確保は大変ですが…)。オプションの電動ジャッキを装備すれば載せ下ろしも楽に行えます。
バンクベッドとソファベッドで、就寝人数は5人。キャビン内はとても広く、4人家族でも余裕を持って過ごせます。室内高が183cmあるので、背の高い人でも快適! これまで国産車だとなかなか味わえなかったゆとりあるトラキャンライフ、ハイラックスで楽しんでみませんか!?
>> M・Y・Sミスティック
▼THOR MOTOR CORCH「COMPASS 23TK」
キャンピングカーブームの盛り上がりとともに注目度を高めているのが輸入キャンピングカー。国産だとカムロードなどのトラックベースやハイラックスなどの1BOXベースが主流になるので、「もっとオシャレにキャンピングカーを楽しみたい」という人からは輸入キャンピングカーが選ばれています。
輸入キャンピングカーの主流はフィアットデュカトをベースにしたバンコンやキャブコンですが、「キャンピングカーと言えばアメ車でしょう!」という人にオススメなのが、このCOMPASS 23TKです。
アメリカンモーターホームは大型のものになると全長が9フィート(約9.1m)を超えてきます。さすがにこのサイズは日本で使うことは現実的ではなくなりますが、COMPASS 23TKは7163mm×2286mm×3175mm。輸入代理店・ボナンザの担当者いわく「幼稚園の送迎バスくらいの大きさなので、街中でも案外困らない」とのこと。ベース車両は3.2L直列5気筒ターボディーゼルを積むフォードトランジットです。
停車時はダイネット部分をスライドアウトさせられるため、室内を広く使うことが可能。
スライドアウトしたダイネット部分。
運転席/助手席は回転式。運転席と居室との間に段差がないため、楽に移動できます。
ふかふかのダブルベッドを常設。寝る前にいちいちベッドを組みたてなくてもいいのが、モーターホームの魅力です。
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オーナーの理想を形にするカスタムメイドのキャンピングカーやモーターホームを持つことは、キャンピングカー好きにとって憧れです。すぐに叶えることは難しいかもしれませんが、夢をもっていきたいですね。
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(取材・文/高橋 満<ブリッジマン>)
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