きれいで、明るくて、安心! コインランドリーがオシャレに進化中

■ここはランドリーじゃない! ウォッシュサロンです!

続いて訪れたのは、東京・学芸大学にある「フレディ レック・ウォッシュサロントーキョー」。ドイツ・ベルリン発祥のランドリーの日本店です。

▲開放感のあるガラス張りの外観は、通るだけでも目を引きます

家具通りとして有名な目黒通りは、筆者もよく通る道。おしゃれなインテリアショップかカフェがオープンしたんだろうなと思っていたら、まさかコインランドリーとは!

コインランドリーというと、銭湯の隣にあって、狭い空間に洗濯機と乾燥機が置いてある…といった閉鎖的なイメージでしたが、ここは正反対。シャンデリアや可愛らしい壁紙、アンティーク風の木製のテーブルが配置されて温かみのあるムード。今までのコインランドリーとは一線を画す空間です。

中に入ってみると、とにかく広い。店内は24時間営業のコインランドリースペースと、9:00~21:00まで営業のカフェ/クリーニング/洗濯代行/グッズショップのカウンターサービスに分かれています。

広さ20坪ほどはあるかと思われる、コインランドリースペースには大きな洗濯機と乾燥機がずらりと並んでいます。毛布や大容量の洗濯物を持って来て洗濯から乾燥まで楽に行えます。

その奥にはカフェスペースが広がっていて、雑誌を読んだりコーヒーを飲んだりできるようになっています。ガラス張りで太陽の光が入ってくることから、清潔感も絶大。今までのコインランドリーの暗くジメッとしたイメージは全くありません。

このコインランドリーの運営会社は商社。もともとのスタートはランドリーグッズの物販からだったとのことで、店内では、さまざまなオリジナル商品が売られています。洗濯石けんや洗濯板、ランドリーネットなどの「洗う」ものから、洗濯ハンガーや洗濯ばさみなどの「乾かす」もの、アイロン台などの「仕上げる」ものまで、洗濯に使用するアイテムが売られています。

商品は、ドイツのフレディ レック・ウォッシュサロンで売られているものもあれば、日本製のオリジナルものも。ドイツと日本では、洗濯の仕方も水の性質も異なるので、日本で使えるものはそのまま輸入して、日本に合わないものはオリジナルで商品化しているそう。

▲ロゴ入りのハンガーや洗濯ばさみ、オリジナルの洗剤、柔軟剤などが並ぶ

写真の中央に見えるのは、ドイツで130年の歴史を誇るシミ抜き用石けん(450円)。
脂質や着色料を分解する酵素が含まれているという、牛の胆汁が配合されています。

その隣、洗濯用ブラシ(850円)もドイツ製。ドイツはブラシの植毛技術が優れているため、そのまま日本でも商品化したのだとか。

▲ランドリーバスケットや洗濯桶、バルコニーサンダルなども販売されている

「運営会社が商社のため、いろんなメーカーと取引があることから、商品別にベストなメーカーを選んでオリジナルの商品化をすることができるんです」と話すのは、プロデューサーの松延友記さん。

商品とコインランドリーのデザインの監修をするのは、店名にもあるドイツ・ベルリンのコインランドリーのオーナー、フレディ レック。オリジナルの商品も、デザインはフレディ レックが監修をしています。ブルーと白を基調とした清潔感のあるオシャレなビジュアルは洗濯も楽しくさせてくれそうです。

コインランドリーのメリットは、大容量、短時間、仕上がりの良さ。平日に毎日働いていると、週末に洗濯をまとめてすることもありますよね。そんなときでも家庭用洗濯機の2~3回分が、コインランドリーの洗濯機なら一回でできます。

洗濯物は干し過ぎると、過乾燥といって生地がカピカピになってしまいますが乾燥機を使えば、柔らかくふんわりとした仕上がりになります。

▲写真左から乾燥機14kg(10分100円)が8台、25kg(8分100円)が1台、洗濯機10kg(39分400円)が2台。奥のブルーの機械は、洗濯乾燥機10kg(60分1000円)が2台、16kg(60分1400円)が2台

スニーカー用洗濯機(20分200円)、乾燥機(20分100円)もあるということで、ラッキーなことにその日は洗いがいのあるキャンバス地のスニーカーを履いていたので、早速洗濯&乾燥をしてみました♪

▲洗濯機の中にはブラシがついていて、自動でゴシゴシ丸洗いしてくれる仕組み。洗い終わったら上の乾燥機で乾燥させる

▲ビフォー写真。実は、購入してから一回も洗っていないスニーカー。キャンバス地はもちろん、つま先のトウキャップも薄汚れています…

▲アフター写真。洗濯機から出してビックリ! 明らかにピカピカ。全体的に白くなりましたが、特にシューレースとトウキャップは真っ白!

洗濯&乾燥が終わるまでの間は、併設のカフェでのんびり。

コーヒーやエスプレッソ、オーガニックレモネードなどのドリンクのほか、マフィンやチョコレートブラウニーなどの軽食も楽しめます。

コーヒーは、香りが引き立つ濃いめのオリジナルブレンド。店内で豆を挽き、提供します。ランドリーの洗剤の香りに負けないようにと、濃いものを選んだそうですが、洗濯機の中から自動で洗剤を入れているので、洗剤の香りは気になりません。コーヒーの香りを十分に楽しめます。

▲併設されたカフェスペースは12人掛けのテーブル席以外にソファ席も

洗濯の基本やアイロンがけの仕方など、ワークショップが行われることもあるそう。3月28日には、「オキシ漬け」をテーマにした洗濯ナイトを開催予定。洗剤と漂白剤との違いの説明から、オキシクリーンという酸素系の漂白剤を使っての漂白をレクチャーします(残念ながらチケットは既に完売)。

また、30Lのバッグ詰め放題1500円、50Lは2200円の洗濯代行は、洗濯、乾燥、畳みまでを最短2時間で仕上げてくれるので、出勤前に洗濯物を預け、帰りにピックアップするということも可能。生活スタイルに上手く組み込ませることができると、自由になる時間が増えそうです。洗濯できないものはクリーニングになるので、その取次ぎも行っています。

松延さんに男性ならではおすすめのコインランドリーの使い方を聞いてみると、「新しいジーンズを乾燥機で縮ませてから裾上げする方がいらっしゃいます。裾上げしてからジーンズが縮んでしまったらもう直せないので。デニムにこだわる人にはオススメです。縮ませることにおいては、Tシャツやワークウェアなども◎。生地は縮ませると強くなるので、大きめのサイズを買って、あえて縮ませる人もいます。あとは、ゴアテックスを乾燥させること。そうすることで、撥水性と防水性が増すと言われているので、乾燥機で乾燥させてから使ってもいいかも」とのことでした。

最近話題になっているコインランドリーは、ほかにもソーシャルアパートメントに併設されたものや、併設のカフェにマッサージチェアが設置された店なども。洗濯だけでなく、洗濯をしている時間にも焦点を当てたコインランドリーが増えています。
都市型ソーシャルランドリーといわれる新型コインランドリーは、本を読んだり、PCで仕事をしたり、お茶ができたり、また利用者との会話を楽しんだり、地域のコミュニティとして活用されたり…と、従来の無人のコインランドリーとは全く違うもの。
ソーシャル=社交的という意味通り、洗濯をするだけでなく、利用者とのコミュニケーションが行える社交場になっています。

コインランドリーのイメージというと、今までは“暗い”、“怖い”、“汚い”でした。でも、今注目されている進化型のコインランドリーは、“きれい”、“明るい”、スタッフがいるから“安心”という昔のイメージと真逆。洗濯ができて乾燥機で衣類を乾かせるというサービス自体は全く変わっていないのに、在り方がガラッと変わりました。今後、暮らしを豊かにしてくれそうな注目のスポットになりそうです。

そろそろクローゼットに仕舞うことになる羽毛布団や毛布、コートなども洗えるので、気になる方はぜひ利用してみてください!

>> WASH&FOLD

>> フレディ レック・ウォッシュサロントーキョー

 


[関連記事]
出張族や旅行好きに!「ハンディセコ」で洗濯物をサクッと乾かそう!

時代が求めるのは二槽式?洗い分けに重宝なサブ洗濯機

洗濯乾燥を時短!スパイラルドライ気流がなんだかすごそう


(取材・文/坂田圭永)

トップページヘ

この記事のタイトルとURLをコピーする