■ゲームで遊ぶにはちょうどいいサイズ感
スマホゲームが好きな人にとって、ディスプレイのサイズ感って重要です。何が大事かというと主にふたつあるのかな、と筆者は思っています。それは純粋な「画面サイズ」と「手で持つときの余白」。従来だとPlusサイズのiPhoneシリーズが、大画面かつ余白が大きかったので、ゲームに適していました。
でもPlusだとズボンのポケットに入れるときに、ちょっと大きいんですよね。そのまま座ったりすると、服によっては太ももに圧迫感を感じることも。日本人の平均的な手のサイズだと、片手操作するにはちょっと大きいかなという印象です。
一方iPhone Xは、ディスプレイがPlusと同じくらい大きい(スペック上のインチ数ではXの方が大きい)。そして、それと同時に片手で扱いやすいサイズ感でもあるわけです。
ベゼル領域が少ない分、横持ちをしたときの余白については心配な部分でもあります。しかし、横画面に余白が生まれるゲームアプリも多いので、筆者としては、手の画面被りについて、割と気にせずに利用できています。また、表示領域が縦に長くなっている分、縦画面で遊ぶアプリでも、よい迫力が出ます。
一点、注意しておきたいのは、ホームインジケーターバー付近での操作を必要とするアプリとは相性がよくないということ(※)。例えば、「ポケモンGO」では、スワイプアップ操作が必要になります。うっかりバーの部分に触ってしまうと、ボールを投げるはずがホーム画面に戻ってしまいます。
(※)iPhone Xではホームボタンがない代わりに下部に横線が表示される。これをスワイプアップすると「ホーム画面に戻る」、横にスワイプすると「アプリを切り替える」といった操作が可能だ
また、「SmartNews(スマートニュース)」では、画面下部を左右にスワイプすることでタブを切り替えます。寝起きに操作していたりすると、誤ってホームインジケーターに触れてしまって、アプリの切り替え操作になってしまうこともありました。
こうした課題について、アプリによっては、しっかり対策が取られています。例えば、先ほど画面例で紹介した「クロノ・トリガー (アップグレード版)」では、アプリ起動中にはホームインジケーターバー暗くなり、一度スワイプアップしてバーを有効にしないとバーを操作できない。つまり2回スワイプアップ操作をしないとホーム画面に戻れないようにする工夫が施されていました。
こうした調整はアプリの開発側に依存する部分が大きいので、しっかり対応してくれているかどうかで相性の良し悪しが出てきます。こういう意味では、iPhone Xを購入する際に、自分がよく使うアプリが画面下端の操作を必要とするのかどうか、改めてチェックしておくと良いかもしれません。
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iPhone Xはホームボタンが変わったことで、「操作しづらくなったのではないか?」と思っている人も多いはず。しかし筆者の印象では、全くそんなことはないと断言できます。一度慣れてしまえば、iPhone Xは軽やかに使いこなせる端末です。まだ実機を触ったことがない人は、まずは店頭に行って、アレコレと触って確かめてみてください。
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(取材・文/井上 晃)
スマートフォン関連の記事を中心に、スマートウォッチ、ウエアラブルデバイス、ロボットなど、多岐にわたる記事を雑誌やWebメディアへ寄稿。雑誌・ムックの編集にも携わる。モットーは「実際に触った・見た人だけが分かる情報を伝える」こと。編集プロダクション「ゴーズ」所属。