■スポーツバンドと専用のヘッド
数あるスマートウォッチのなかでも、wena wristシリーズのユニークなところは、ベルト部分がスマート機能を備えるということ。時計であるヘッド部分は完全にアナログ仕様となります。本体は専用アプリの「wena」を介してスマホとペアリングします。
ちなみに、同シリーズには、ラグジュアリー路線の「wena wrist pro」、バンドが樹脂製で心拍センサーを搭載した「wena wrist active」、最低限の電子マネーだけが使える「wena wrist leather」などのバリエーションが存在します。今回紹介するactiveは、ヘッド部を装着する機構が特殊です。
バンド部の本体には、小さなディスプレイが搭載されていてここに情報が表示されます。例えば目標歩数を定めておくと、それを達成したときに、通知されるなど。また、スマホに届いた「LINE」などのアプリの通知も連携して表示できます。バイブレーションも作動しますが、振動はかなり「肌触り」がキツい印象です。
バンド自体は樹脂製ですが、本体は金属製。側面には、金具が飛び出しています。ここをカチッと指で挟むと、バンドが伸びるので、腕に装着します。なお、充電の端子はバンドを固定する部分に装着する仕組みになっていました。
■アクティブモードに切り替える
本体の側面には、いくつかボタンがあります。ひとつは電源のオン・オフやディスプレイの表示を切り替える操作が可能。そして、右上に位置するもうひとつのボタンでは、心拍センサーをオンに切り替えます。
このボタンを長押しすると、ぶるっと振動がして、「アクティブモード」に切り替わります。ウォーキングを行う際などに利用しましょう。ただし、電池消費量が増えるので、長時間使い続ける場合には、注意が必要です。
wena wrist activeのアクティブモードで測定を行うと、アプリの「Exercise」と「HeartRate」の画面に情報が追加されました。「Exercise」には、ランニングの合計距離と移動経路が表示される仕様。「HeartRate」では、測定した心拍数がグラフで表示されます。
■改善して欲しいところも多い
これは筆者の意見ですが、アクティブに使用することを謳う以上、側面に飛び出す金具はなにか安全上の対策をした方が良いだろうと思います。筆者は、服を着替えるときなど、何度か金具に反対の手をぶつけて皮膚に怪我をしました。となるとスポーツは怖くてできません。もし次期モデルが出るなら、デザインの改善を希望したいところです。
また、バンドの長さは樹脂部分を切り落とすことで調整する仕組みです。バンドの締め付けをこまめに微調整できないことも、運動向けではありません。また、他社製のスポーツ仕様スマートウォッチと比べると、重量もずっしりと感じてしまいます。マラソンなどの長距離を走る場合には向いていないと言えます。
「active」という名前こそ付いていますが、上記のようなことを考慮すると、スポーツなどで利用するには、ちょっとオススメし難いところ。とはいえ、早歩きなどの軽い運動では、「Exercise」のログとして認識されないこともありました。どこまでアクティブに使えば良いのか、正直ちょっと悩ましい…。
一方で、「楽天Edy」による電子マネー決済が利用でき、その日の消費カロリーをざっくりと確認できるという、スマートウォッチならではのシンプルな機能は備わっています。同機を選ぶ際には、こうした良し悪しを踏まえつつ、デザインが気に入るかどうかが重要になるでしょう。
>> wena wrist
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(取材・文/井上 晃)
スマートフォン関連の記事を中心に、スマートウォッチ、ウエアラブルデバイス、ロボットなど、多岐にわたる記事を雑誌やWebメディアへ寄稿。雑誌・ムックの編集にも携わる。モットーは「実際に触った・見た人だけが分かる情報を伝える」こと。編集プロダクション「ゴーズ」所属。
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