■CPUが新しくなったからサクサク動く
新iPadのサイズは9.7インチ。従来から展開してきた定番のサイズ感です。旧モデルを使っている人にとっては、デザイン上の変化はそれほどありません。
買い替えるメリットは2つあります。ひとつ目は、プロセッサが新しくなったこと。iPhone 7などと同じく「A10 Fusion+M10コプロセッサ」を搭載します。重いアプリでもサクサク動きます。「もう今持っているiPadだと動きがもっさりして辛い!」なんて人は、速攻で買い替えましょう。
例えば、iPadを使ってビデオ編集に挑戦したり、ARアプリを試してみたり。新しいiPadなら重い処理でもサクサクこなせます。
■Apple Pencilが使える
ふたつ目はApple Pencil(別売)に対応したこと。Apple Pencilを使えば、手書きのメモ取りや、細かい描画操作が行いやすくなります。
Apple Pencilは従来iPad Proシリーズにしか対応していなかったので、試したことがない人も多いはず。改めてその特徴を説明しておきましょう。
まずApple PencilはiPad Proシリーズ、および今回発売された新しいiPadでのみ利用できます。その他のiPadでは使用できません。
BluetoothでiPadとワイヤレス接続しますが、ペアリング方法は非常に簡単。Apple Pencilのマグネット式のキャップをはずすとLightning端子が現れるので、これをiPadにグサッとさせばOKです。
機能としては、筆圧をしっかり感知でき、筆先をディスプレイ面に対して斜めにすると太い線を描けることなどがユニーク。まさにリアルな鉛筆を使っている感覚に近いです。
また、写真の補正など、細かい操作をする際には、Apple Pencilがあると素手よりも効率が上がります。
そのほか、トピックとして注目しておきたいのは、「iWork(Pages、Keynote、 Numbersの3つのアプリを指す)」がアップデートしたこと。これらのアプリ内にApple Pencilを使って文字や絵、注釈等を書き込むことができるようになりました。今回は「スマート注釈(β版)」機能(スペシャルイベント時に「スマートアノテーション」として紹介されていたもの)を試してみました。
例えば、手書きの書き込みで修正指示などが入ったデータに、そのまま修正を加えます。テキストが増えれば、場所がずれますよね。しかし、スマート注釈なら書き込み位置が文字に連動するので、場所がずれても注釈が維持されるというわけです。
■結局こんな人が買い
新しいiPadに買い替えを検討する際に、おそらく悩ましいのがiPad Pro 10.5インチとどっちを選ぶか、ということでしょう。この際に注目してほしい項目は、2つあります。
まず、iPadにはスピーカーが2基しかないので、4基を備えるiPad Proよりもサウンドの臨場感はありません。YouTubeやhuluなど、動画を頻繁に視聴するならiPad Proの方がよいかも。ただし、イヤホンやヘッドホンを頻繁に活用するならあまり問題ないとも言えます。
そして、iPad Proには「Smart Connector」という端子がありますが、iPadにはありません。つまり、「Smart Keyboard(別売)」のようなアクセサリーは利用できません。キーボードを使いたい場合には、Bluetoothキーボードを接続する必要があります。
▲iPad Proシリーズにある「Smart Connector」の端子(写真は初代iPad Pro 12.9インチ)
補足ですが、そもそも「Smart Connector」の良いところは、キーボードの接続と給電を同時に行えることにあります。つまり、対応キーボードは充電が要らないんです。Bluetoothキーボードだと「うっかり充電を忘れてしまって、いざというときに使えなかった」なんて事態が起こりがち。ビジネスシーンで活用する人はiPad Proシリーズを選択する方が賢明だろうと思います。
* * *
スピーカーの音質にこだわる人や、ビジネスシーンでキーボードが欲しい人はiPad Proシリーズを選びましょう。しかし、そうではない人は新しいiPadでも充分満足できるかもしれません。
ともかく安くて良いモデルが登場しました。旧iPadをまだ現役で使っている人、あるいは旧iPadが埃をかぶって化石化しつつある人。そろそろ新しいモデルに買い替えてみてはいかがでしょうか。
なお、新しいiPadの価格などについては発表時に掲載した速報記事を参照ください。
>> Apple「iPad」
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(取材・文/井上 晃)
スマートフォン関連の記事を中心に、スマートウォッチ、ウエアラブルデバイス、ロボットなど、多岐にわたる記事を雑誌やWebメディアへ寄稿。雑誌・ムックの編集にも携わる。モットーは「実際に触った・見た人だけが分かる情報を伝える」こと。編集プロダクション「ゴーズ」所属。
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