これまで、さまざまなメーカーから、いろんなスタイルのふとん掃除機が登場している。しかし、筆者はイマイチそれらを信用することができなかった。数秒間UVを照射するだけで、ダニを殺したり、無効化できるとは毛頭思えず、また、吸引力やふとんを叩く機能に決して満足できなかったのだ。
そんな中登場したのが、東芝の「トルネオVコードレス VC-CLF1」だ。ひと目見て、ふとん掃除機の本命はこのモデルになると感じた。その実力と機能、そしてなぜそう感じたかを解説していこう。
■キャニスター型譲りの強力サイクロンを搭載
「トルネオVコードレス VC-CLF1」は同社のキャニスター型掃除機「トルネオV」シリーズと同じ、バーティカルトルネードシステムのサイクロン方式を採用している。これが、強力な吸引力を実現。さらに、その吸引力が低下しない理由となっている。
ダストカップ上部に搭載する小型のサイクロン部が、吸い込んだ微細なゴミを99.9%分離。さらにゴミを圧縮してダストカップ内でのホコリの舞い上がりを防ぐことができるという。また、毎分最大約11万回転することにより、高い吸引力を実現するハイパワーDDファンモーターも搭載。これらの吸引技術により、ふとんの奧に入り込んだダニのフンやヒトの皮脂などをしっかりと吸い込むことができるのだ。
さらに、ヘッドにもハイパワーモーターを搭載しており、ふとんの奥に入り込んだ微細なゴミをワイドビーターで叩き出すことができる。このふとんを叩く機能は、他のふとん掃除機にも搭載されることが多いが、本製品は、このふとんを叩く機能をオンオフすることが可能。
これは敷き布団を掃除するときは叩くことが有効だが、羽毛の掛け布団などは強く叩いてしまうと、ふとんのなかで羽毛が折れてしまう可能性があるためだという。
強力なモーターとバーティカルトルネードシステムによる、高く、低下しない吸引力、そして、しっかりとふとんを叩いて、奧の汚れを落とせるパワービーターヘッドを搭載することで、ふとんに潜むダニのフンや死骸、皮脂などをしっかりと除去できるというわけだ。
実際、家族5人が寝ている敷き布団ダブル2枚を掃除してみたが、ダストビンには微細なゴミが大量に集塵できた。初めてのふとん掃除だったとはいえ、この上に寝ていたと考えると、ちょっとゾッとする量だった。
■使い勝手がいいからこそ毎日ふとんを掃除できる
筆者が「トルネオVコードレス VC-CLF1」を気に入った理由は、吸引力の高さに加えてもうひとつある。それが他のふとん掃除機比べたときの、使い勝手のよさだ。
ふとん掃除機はさまざまな姿勢で利用する。床に敷いたふとんを掃除するときは、しゃがみ込んで利用するし、ベッドの上のふとんを掃除するときは、中腰になって使用する。また、ソファを掃除するときなども、姿勢が変わる。製品によっては中途半端な姿勢になり、使いづらいことも多かった。
しかし、「トルネオVコードレス VC-CLF1」はどのような姿勢でも快適に使えるのだ。その秘密が、角度調整のできるヘッドとラウンド型ハンドルを搭載することにある。本体の角度に合わせてヘッドが自由に動き、さらにハンドルの持ちやすい場所を自由に持てるため、ラクな姿勢で使えるというわけだ。小さなことだが毎日持つことを考えると非常に大きなポイントだと言える。
そしてもうひとつ、「トルネオVコードレス VC-CLF1」は約1.8kgと非常に軽い。このため、片手でラクラクと持ち運び、ふとんの上を素早く動かすことができる。この軽さと、約21cmのワイドな吸引口を搭載することにより、ふとん1枚なら、約80秒で掃除できるという。
ふとん掃除機はできるなら、毎日掛けたいもの。しかし、本体が重かったり、手軽に使えないようでは、毎日こまめに掛けると言ったことができない。「トルネオVコードレス VC-CLF1」は、充電台を兼用した専用のスタンドを用意しており、そこから取り外すだけでサッと使用できる。そして、非常に軽く、素早くふとん掃除ができるからこそ、毎日こまめに使えるというわけだ。
内蔵バッテリーでの運転時間は自動モードで6分~25分。決して長くはないが、家族のふとんを掃除するだけなら十分な時間だと言える。
■ふとんだけじゃなくマルチに使える
「トルネオVコードレス VC-CLF1」が便利なのが、ふとん掃除機として使えるだけでなく、いわゆるコードレスのハンディ掃除機として使えることだ。
ふとん掃除用のパワービーターヘッドに加えて、隙間ノズルと丸ブラシが標準で付属しており、自宅内のちょっとしたゴミを集めるといったシーンでも利用できる。著者宅では寝室用の掃除機として、ふとんを掃除したした後にふとんを畳んだら、そのまま、床のゴミなども掃除している。ふとんを掃除するヘッドを床に使いたくない場合は、丸ブラシなどを使うといいだろう。
また、コードレスという利点を活かして、好きなノズルを装着して、リビングのソファやクルマの中などの掃除にも活躍してくれている。
ふとんに潜むダニの死骸やフンなどを除去するのはアレルギー対策として今や必須と言える。著者の子どもに若干のアレルギーがあり、ふとんで寝ている時に背中がかゆがったりすることがある。このため、ふとんをしっかりと掃除してあげることは欠かすことはできない。
「トルネオVコードレス VC-CLF1」には、この他にもダストビンやサイクロン部分を分解して丸洗いできるといったメリットもある。また、「ゴミ残しまセンサー」を搭載し、見えないハウスダストをランプの点灯で確認しながら吸引することが可能。ハウスダストがなくなると、自動的に吸い付きパワーを抑えて、電力消費を抑えるとともに、キレイになったことを教えてくれるのだ。
強力で低下しない吸引力。そして使い勝手の良さ。さらにメンテナンス性や清潔性に優れた「トルネオVコードレス VC-CLF1」。家族が毎日眠るふとんをキレイにするために最適なふとん掃除機だといえるだろう。
(取材・文/コヤマタカヒロ)
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