■時計工具を揃えてメンテナンスの準備
まず時計工具を一切持っていない人が購入を考えるのが、こういった工具セットだと思います。
コチラは「AliExpress」で買った腕時計工具セットです。ケースの中にコンパクトに収まるのがイイですね。私は1130円(送料無料)で購入しました。時計の中身に興味のある方は、とりあえずこのテの安価な工具セットを使ってみて、必要に応じて随時買い足していくというスタンスで十分ではないかと思います。
まずは…裏蓋を開けるためにブレスレットのバックル部分のバネ棒を外して上下にバラします。革バンドはバックルではなく尾錠で取り外せるので、この作業は不要ですね。
そのための工具がコチラ、バネ棒外し。今回の工具セットに入っている一番左のタイプの他にも色々な種類のバネ棒外しがあります。一番右側の短いタイプは革バンドを購入するとおまけで付属することが多いモノで、替えの革バンドをたくさん買い集めるとコイツもどんどん増えていきます(笑)。
個人的には、右からふたつ目のMKS(明工舎)製が、バネ棒の引っかかりも良く、もし先端が欠けてしまっても手軽に交換することができるのでオススメ。Amazonで600〜700円ほどで購入できます。
バックルをバラすと、金属ブレスレット腕時計の見本画像などでよくある↑このような状態に。(絵面が良いからよく使われるのでしょうが、逆に言うとブレスレットが上下で繋がっていないので、このままの状態では腕には巻けません)
今回は解説用にコチラのセイコーLMスペシャルの裏蓋を開けていきます。いやあ、我が腕時計ながらカッコイイですね〜(しみじみ)。
■いざケースを外して中身を掃除してみよう!
ケース保持器に、このようにセットします。
スクリューバック(裏蓋を回して締めるタイプ。防水性が高い。)用の各種オープナー。工具セットに入っている左側のツメが3点式タイプはピタリと穴に合わせるのが難しくて正直使いづらいです。失敗すると裏蓋にキズが付くことも多いので、今回は使い慣れた右側のオープナーを使用します。
薄いポリ袋を養生に宛てています。スクリューバックの裏蓋を上手く開けるコツは、まず保持器にシッカリと固定すること。そして、ただ“回す”のではなく、“下に押しながら回す”ことです。
押すのを意識しないとオープナーのツメが穴から外れてスベってしまい、結果的に裏蓋をキズ付けてしまうことも…そのため、押しながら回しやすい、この四角いタイプのオープナーが個人的には一番使い勝手が良いのです。
それでも、たまに汚れや錆びなどで固着して、なかなかうまく開けられない個体もありますけど。
そうして裏蓋を開けると、いよいよムーブメントとご対面。ここでムーブメントがキレイだとホッと一安心。さらに動かしてみてテンワがシャカシャカと元気に動いていると、もう一安心です。
ムーブメントを取り出して、ブレスレットも外していきます。
ケースとブレスレットの接する弓環部分。ココは非常に垢や埃汚れが堆積しやすい箇所で、オールド腕時計を入手するとたまに「ぎゃああ汚いいい!」って叫びたくなるようなすごいヤツがあります。
あなたがお持ちになっている腕時計も、ココとバックルの裏側はマメに清掃することをオススメします。超音波洗浄器にかけるか、洗面台にぬるま湯を溜めて、その中で
不要になった歯ブラシ等でゴシゴシするとか。一度やってみると、結構クセになります。