■“ビカのケーブルカー”は絵葉書で見る風景のよう
まずは、ポルトガルの玄関口であるリスボンのウンベルト・デルガード空港。外へ出て真っ先に目に飛び込んできたのはタクシーでした。メルセデス・ベンツがやけに多いですね。
といっても、本国ドイツのタクシーのように、ぼんやりとしたクリーム色のカラーリングではなく、黒とグリーンのパキッとした色合い。しかも、ほとんどのクルマがディーゼルエンジン車でした。
街中に行ってみると、ドイツ車が多く走っていて、ほかにフランス車や日本車の姿もちらほら。その中で見掛けたパトカーは、白地に黄緑のラインが入り“POLICIA”の文字が描かれています。でもなんとなく、他の国のパトカーと比べると、どことなく緊急感が薄いような気がします(苦笑)。
リスボンの公共交通機関として有名なのはケーブルカー。市内には3つの路線が走っていますが、最も有名なのが“ビカのケーブルカー”です。1892年に開通した歴史ある乗り物で、テージョ川をバックに狭い道をのんびりと行き交います。
でも、想像していたよりも距離が短く、乗車時間はあっという間。石畳の道をケーブルカーと一般車両が上手にシェアしながら走る様子は、まるで絵葉書にある風景のようです。
リスボンは坂が多い街のせいか、他のヨーロッパの街でよく見る、自転車のライドシェアなどは見掛けません。その代わりに目にするのは、東南アジアでお馴染みのオート3輪タクシー“トゥクトゥク”やバギー、2階建てバスなど。特に観光名所では、いろいろなタイプのトゥクトゥクが止まっていました。
また、市内を見渡せるサン・ジョルジェ城の辺りでは、ルノーのシティコミューター「トゥイージー」や「セグウェイ」で移動する人の姿も見られます。
一方リスボンでは、テージョ川が大西洋へ注ぐ港町であるためか、最近、川や湖のある観光地に配備されている水陸両用バスの人気も高いのだとか。水上からリスボン観光を楽しむのもいいかもしれませんね。
さらにリスボンの乗り物といえば“サンタ・ジュスタのリフト”を忘れるわけにはいきません。街中にそびえる高さ45mの巨大な鉄塔には、低地のバイシャ地区と高地のシアード地区とを結ぶエレベーターがあり、市民の足として活躍しているだけでなく、観光名所にもなっています。古い建物などで目にするようなレトロなデザインに胸が高まります。
リスボンは西ヨーロッパ最古の都市だからか、もちろんクルマも、レトロなランドローバーの「ディフェンダー」を始め、往年の名車が多数走っていました。海外では乗り物ウォッチングをするだけで、気分がアガりますよね!
(文&写真/吉田由美)
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