■ドライバー不要の簡単組み立て
ここからは、もう一つの魅力、“カメラのDIY”についてご紹介しましょう。カメラのキットを開くと、カメラの基盤、アクリルケース、ボルトとナット、レンズ2種類、そしてmicro USBケーブルが同梱されています。
カメラを組み立てるなんて、それだけでわくわくします。それでは早速、組み立て開始です。
真ん中で二つ折りになったアクリルケースの間に基板を挟み、別売りの単4電池をふたつセットします。そして、専用のボルトとナットを使って閉じます。
アクリルケースを手で少し押さえながらボルトとナットを留めるのは、プラスチックが割れないか少しどきどきする作業でした。
ナットを締めるときには、指で回して、最後は爪などでぐっと少し強めに回すだけで簡単に留まります。ドライバーなどの工具を使うと部品を傷つけてしまう可能性があるのでおすすめしません。
組み立てが完成したら、SDカードを挿し込んで準備完了! DIYが苦手な私でも5分程度で簡単に組み立てることができました。
組み立て後のサイズは、幅約10.5×高さ7.5×奥行1.1㎝で重さは48gと、コンパクトかつ軽量です。
操作方法は、ふたつのスイッチを使うだけといたって簡単。ひとつは電源とシャッター機能をもつスイッチ、もうひとつは、4種類の撮影モードを選択できるスイッチです。
なお、カメラの前面にはふたつのLEDライトがあり、その点灯の仕方によってカメラの作動状態を確認できます。
右側のLEDライトが点灯しているときは「スタンバイモード」で、撮影の準備が完了している状態。シャッターボタンを押し、写真が撮影できたら、左側のLEDライトが点滅します。
■不便さもまたDIYカメラならでは
スマホのカメラとは違い、DIYカメラでは撮った写真をその場で確認できないため、スマホに慣れていると少し不便に感じるかもしれません。しかし、この不便さだからこそ、フィルムカメラのような「どんな風に撮れているだろうか?」というドキドキ感を味わえます。
手ブレ補正機能はないので、手ブレするときもあります。しかしそれはそれで、味のある写真が撮れたりするんです。
また、写真の四隅が丸く削れている点が気になるという人もいるかと思います。私も最初に写りを確認したとき、四角い写真写りではないことにおどろきました。しかし、普段と雰囲気の違う写真が撮りたいときに、ピンホールカメラで撮影したかのような出来ばえになっているというのがいいんです。
なお、一眼レフカメラと違いコンパクトなので、持ち歩きに便利ですが、レンズやレンズカバーを失くしやすいので、管理には十分気を付けましょう。
* * *
デジカメよりもコンパクトで軽量、スマホと同じ感覚で使える「CROZ DIYカメラ トランスペアレント」は、1万6200円(税込)。
スペックよりもデザインや個性的な映りを重視しているカメラ好きな人や、プラモデルなど自分で組み立てることが好きな人におすすめな1台です。
(取材・文/中川美紗)