使って分かったトレーニングにはApple WatchよりGarminがオススメな理由

■とにかく軽い!

手にとってみた感想は、不安になるほど軽いということ。重量はわずか42.2 g。これまで使用していた、他ブランドのものと比べると圧倒的に軽い。手首に装着した感覚からして軽いと感じる。

光学式心拍計のため、手首からズレないようにしっかり目に装着する必要があるのだが、この軽さなら手首に違和感がなくずっとつけていられる。

こういうデバイスでよくイライラさせられるのが、設定が面倒ですぐ使えないところ。しかし「ForeAthlete 645 Music」は、スマホですぐに探し出せて、接続もスムーズ。ボタン操作に少し慣れが必要かもしれないが、マニュアルを読む必要もないくらい簡単に操作できる。

ちなみにこのモデルを使用する際には「Garmin Connect(ガーミンコネクト)」という、無料のWebサービスにアカウントを作る必要がある。

PC版とスマホアプリの2種類あり、そのどちらでも自身のトレーニングデータの管理やデバイス本体の設定変更、睡眠の状態、日々活動した歩数や階段を上った段数までも記録、確認ができる。

 

■スマホなしでも音楽を聞ける

注目機能である音楽再生は「GARMIN EXPRESS」というアプリケーションをPCにダウンロードする必要がある。あらかじめPCに音楽データを保存しておき、それをGARMIN EXPRESSを使ってForeAthlete 645 Musicに転送する形だ。

もちろん、ForeAthlete 645 Music自体にはイヤホンジャックはないので、音楽を聴く場合はBluetooth対応のワイヤレスイヤホンなどが必要になる。

転送できるのは最大500曲。これらをスマホにつながずに楽しめる。気になるバッテリーの持続時間は、音楽再生+GPSモードで最大5時間だ。

実際に走ってみると、これはかなり軽快感がある。たったスマホひとつではあるが、ランニング中にはできるだけ持ち物は減らしたい。自分としてはポケットに入れておくのもあまり好きではないし、ウエストポーチも走っていると揺れるのでジャマになる。その点でかなり身軽だと感じた。

操作も問題なし。タッチパネル式ではないのだが、それが逆に操作しやすい。グローブをしていても操作できるし、動きながらの操作は物理ボタンの方が操作がしやすい。

 

■記録したデータはスマホを通して簡単にPCへ転送

自宅近くをランニングした際のデータは、スマホアプリを通じてWebサービス「Garminconnect」にすぐにアップされる。グーグルマップにその軌跡が出るほか、高度やペースなどのデータも表示。スマホを持たずにForeAthlete 645 Musicだけで記録した場合も、走り終わったあとにあらかじめペアリングしたスマホと接続するだけで、スムーズにデータ転送が可能だ。走った距離がたまっていくのを眺めているのは、お金がたまっていく貯金通帳を見ているみたいで何だか楽しい。

ちなみにForeAthlete 645 Musicには、ランニングのほかに、サイクリング、水泳(プール)、スキー、筋トレなど、それぞれに対応するアクティビティプログラムが内蔵されている。スポーツをする際にプログラムを選んで行えば、GPSのログ、心拍数を記録したり、それぞれのスポーツに対応したデータが表示される。

▲これは歩いた歩数を競う「ステップチャレンジの画面。デフォルト設定の場合は自動的ににレースに参加することになり、カウントしたデータで順位が決められる

トレーニングも大切だと思うが、運動不足の人はそもそも普段の運動量を積み上げていくことでかなり運動不足を解消できるのではないか、と思われる。

 

自分で決めた歩数に達すると、バイブレーションと「ゴール」という画面表示で称えてくれる。最寄り駅のひとつ前で降りて歩くとか、エスカレーターを使わないで階段を使うなどは、なかなかできないのが実情。そんな時にこれらの機能があれば、誰かと競いながら運動量が増やせるかもしれない。

 

■スポーツにはGarminをオススメする3つの理由

Apple Watchもテスト的に使ったことがあるが、スポーツすることだけを考えたら、Garminは優れた点が多い。もちろんこれからどちらもアップデートを繰り返していくと思われるので、あらゆる面が改善されていくと思うが、スポーツならGarmin、楽しむならApple Watchというイメージだ。

スポーツでGarminを選びたい理由のひとつは、「物理ボタンが搭載されている」ところ。

走りながらの操作はやはり物理ボタンが操作しやすい。慣れてくると見なくても操作ができるようになるし、特にグローブをしながら走っているときは、物理ボタンが最適だと思われる。

そして「充電のもち具合」も大きい。Apple Watchが2代目になってかなり改善されたが、やはりGarminの方がいい。カタログスペックでは「音楽とGPSを使って5時間」。もちろんGPSの精度などの設定もあるので一概にはいえないが、実際に使ってみると、もう少しいけそうだ。充電もクリップで挟むだけなので、面倒じゃない点も良い。

さらに「GARMIN connectの使いやすさ」も見逃せない。ランニングのGPSログ、心拍数、睡眠、活動量のすべてを一元管理できる。Apple Watchはアプリごとに分かれているので、少し使いにくいと感じた。

価格的には少々高い気がするが、音楽と一緒にしっかりトレーニングをしたい人、運動を普段の生活に取り入れたい人には最適。もちろん普通に音楽を聴くこともできるので、トレーニング時以外の普段使いにも対応する。

筆者はトライアスロンも楽しんでいるので、マルチスポーツモデルに音楽機能を搭載したモデルも早く登場してほしいところだ。

GARMIN
「ForeAthlete 645 Music」(4万9800円/税別)
※2018年5月中旬発売予定

>> ガーミンジャパン


[関連記事]
充電とはお別れ?自分の体温で発電するスマートウォッチとは

レトロ可愛いスマートウォッチ「Fitbit Ionic」を試してみた

見た目はアナログ、実はハイスペックなスマートウォッチです


(取材・文/今 雄飛)

こん ゆうひ/ミラソル デポルテ代表

スポーツブランドのPR業務を行うかたわら、自転車、トライアスロン、アウトドア関連のライターとしても活動中。趣味はロングディスタンスのトライアスロン(IRONMAN台湾、宮古島トライアスロンなど完走)。

トップページヘ

この記事のタイトルとURLをコピーする