■キーボードは観音開き! 安定感も◯
新ポメラ「DM30」で最も目を引く特徴は、観音開きのキーボード。これまでポメラには、フラットな板状タイプのキーボードを搭載した「DM200」や、折りたたみ式のキーボードが特長の「DM25」(※製造終了)、などがありました。
板状タイプは安定感がある反面、収納に場所を取り、折りたたみ式の場合はキーボードが若干不安定で、「壊れてしまいそう」という不安がありました。
一方、今回の観音開きタイプは、コンパクトに収納できる、というメリットを持ちながら、開閉時にキーボードに収納されているキーフットが自動的に出てくるため、タイピング時もキーボードを安定させられるのです。
このようにキーボードがしっかり固定されると、新幹線や飛行機の不安定な机の上でもタイピングしやすいでしょう。また、単3形乾電池2本で約20時間稼働するので外出先でも長時間の利用が可能。万一電池切れになってもすぐに交換できます。
実際に私も使ってみて、タイピング中にキーボードがグラついたり、タッチがしにくいと感じませんでした。そのため、ポメラ愛用者はもちろん、これからポメラデビューする人にも適していると言えます。
折りたたみ時のサイズは156×126×33mm。キーボードが折り畳まれている分、どうしても「分厚い」という印象は受けますが、片手で持ち運んだり収納したりする分には問題ないサイズ感でした。
■ノートパソコンのように広いキーピッチ
「DM30」のキーピッチは、横17mm、縦15.5mmとゆとりがある仕様。ノートパソコンと似たような感覚で使えます。
これまでのポメラは半角/全角キーが独特の場所(Escキーの右隣)にあったのですが、「DM30」ではPCのキーボードと同じ場所に配置されています。このため、初めて使う人も、違和感を感じにくいはず。
なお、「DM30」のキーボードはBluetoothが搭載されていません。しかし、非搭載にしたことで、電池持ちをよくし、価格を抑えての提供が可能になりました。
■電子ペーパーディスプレイで目が疲れにくい
「DM30」ふたつ目の特徴は、E Ink社の電子ペーパーディスプレイを搭載した点。タイピングした文字が、紙に印刷されたようにくっきり表示されるのが特長です。
バックライトを搭載せずとも文字がはっきり見えるため、長時間の作業が苦になりません。PCと似たような感覚でタイピングができる一方、パソコンにつきもののブルーライトが削減された状態で使えるのです。
しかし、ポメラを使い慣れていないうちは、文字を消したり画面を切り替えたときの“残像”が少し気になる、という印象も受けました。
■文章にアウトライン機能を搭載 文章の入れ換えがしやすく
実際に「DM30」を使っていて便利だと思ったのが、アウトライン機能でした。画面の左側に見出しを、右側に本文を配置できる機能で、見出しごとに文章を移動することや、見出しの上下を入れ替えることもでき、会議資料や論文を作成する際に役立ちます。
ポメラというと、“メモ用”の印象が強く、ポメラからそのまま資料を作成するイメージは抱きにくいかもしれません。しかし、アウトライン機能に見られるように、ポメラそのものを資料作成の“本番用”として利用することも可能なのです。ポメラ向けの日本語入力システム「ATOK for pomera」を搭載しているため、漢字変換もスムーズに行えます。
なお、作成したメモはmicro SDカードやSDカードを使って直接パソコンに送れます。作成したファイルをQRコードに変換し、専用アプリで読み取ればファイルをスマホに移動することもできます。
■「KickStarter」でアメリカ向けプロジェクトも開始!
キングジムは今回、クラウドファンディング、KickStarterでプロジェクトを開始し、「DM30」のアメリカ向け需要調査を実施することを発表しました。KickStarterでは、従来製品と同じ日本語配列のキーボードを提供する予定で、すでに5月15日から公開が開始されています。
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「DM30」の販売価格は4万6440円。デジタルメモというポメラ販売当初からのコンセプトを踏襲し、そこにコンパクトさと電子ペーパーディスプレイ搭載による見やすさを加えた同製品は、ポメラ愛用者はもちろん、これからポメラを使い始めたい、という人にもおすすめです。
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(取材・文/神戸紅実子)
編集プロダクション「ゴーズ」に所属。”平成生まれ昭和育ち”ながら、スマホやアプリに関する記事を若者文化に乗り遅れまいと執筆中。東横線ユーザーだが、ときどき中央線沿線にも出没する。
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