■少し実用的な例で試してみよう
もう少しだけ実用的なマクロを作成してみましょう。例えば、ここでは、表組みデータから一定の項目を抽出して並び替えてみます。
男性と女性が混在したデータから、男性のみに絞り込み、番号順に並べてグラフを作成しましょう。
こうしたマクロを用意しておけば、1行程で、必要なデータを抽出し、グラフ化できるようになります。登録できる操作とできない操作があるので、何の工程を自動化するかを見定めることが重要になりそうです。なお、今回紹介した手順は、あくまで基本を説明するためなので、細部が粗い点はご了承ください。
ちなみに、マクロで編集したデータを元に戻すには、「戻る」操作では限界がありますし、手間もかかります。こうしたデータ抽出のマクロを作成する際には、元のデータを残しておくのがコツ。マクロ作成前に、シートのコピーを作成しておくとよいでしょう。中~上級者は「元に戻す操作」のマクロを作成しておくという手もありますが、結構難しいので初心者にはオススメしません。
また、上級者は、コードを自分で入力して調整できますので、余裕があれば、こちらもチャレンジしてみてください。
ちなみに言語はJavaScriptをベースにした「Google Apps Script」を使用します。
■「人の手で作業するな」という教え
筆者がパソコンの基本を学びだした頃、師に教わった基本があります。それは「コンピューターにできることは、人の手で作業するな」ということ。分かりやすいところで言えば、「コピー&ペースト作業に右クリックは使ってはならず、必ずショートカットキーを使うべきである」など。コンピューターと仲良くなるためには、避けては通れない道です。
特に、効率化が求められるビジネスシーンの作業では、こうした工夫の積み重ねが重要。細かい作法というか、習慣付けが時短術に直結してきます。大量のデータを扱う表計算ソフトは、その最たる例でしょう。
クラウド上で共同編集を行えるGoogleスプレッドシート。「マクロ」機能の活用が、チームの生産性を向上させるきっかけになることを祈ります。
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(取材・文/井上 晃)
スマートフォン関連の記事を中心に、スマートウォッチ、ウエアラブルデバイス、ロボットなど、多岐にわたる記事を雑誌やWebメディアへ寄稿。雑誌・ムックの編集にも携わる。モットーは「実際に触った・見た人だけが分かる情報を伝える」こと。編集プロダクション「ゴーズ」所属。