このイベントはあまりの人気のため、5/10まで延長されることが決まっている。週末となれば大混雑。朝いちばんか、夕方に行くのがオススメだ。ここではさまざまな作品を楽しめるが、どれも子どもが自由に体を動かし、親しみながら共同的で創造的な体験をしていく“共創”をテーマにしている。それぞれ動画を交えて紹介していこう。
自分の描いた絵が動き、そして触れる!(←クリックすると動画※音声あり)
「ScanSnap」というデバイスで、自分で描いたイラストをスキャニング。取り込んだデータは巨大スクリーンに投影され、触るとアクションしてくれる。このスキャニング系のアトラクションは、「お絵かきふなっしー」「お絵かきピープル」「お絵かきクリスマス」「3Dお絵かきタウン」の4種類。ふなっしーは、あの“梨汁ブシャー”アクションも。しかし、絵ゴコロを試されるので、事前にイラストの練習をしておくと、子どもからリクエストがあったときに「パパへたくそ!」と言われなくて済む(笑)。
さらに、4月8日(水)~28(火)の期間限定(※平日のみ)で「3Dお絵かきタウン」に新作「お絵かきタウンペーパークラフト」が加わった。平面で書いた車や絵をスキャンすると、展開図となって出てくるので、それを組み立てるとオリジナルのペーパークラフトの出来上がりだ。2Dのものが3Dになる楽しみを実感できる。
光るボールを転がし、音を楽しむ(動画※音声あり)
「光のボールでオーケストラ」は、四角いスペースに置かれた大小さまざまなボールで遊ぶことができる。叩くと音が鳴ったり、色が変化したりする。大きいボールは他のボールと連動しており、一斉に空間全体の色が変わるところは圧巻。“子どもの空間把握力”“自己効力感の醸成”“協調性”などが身に付くということだ。ただのボールころがしにそんなスゴイ効果があるなんて、驚きです。
図形とカラーのセンスを磨ける幻想的な場所(動画※音声あり)
テトリス風のアトラクション「メディアブロックチェア」は一見、光のボールに似ているが、また別モノ。ブロックの凸の面と凹の面を組み合わせると、凸の面から、凹の面へ情報を伝え、凹の面のブロックの光の色を変えるのだ。青と赤のブロックを合わせると紫になるなど、直感的に色の仕組みまで覚えることができる。レゴ的な楽しみ方にカラーの概念が加わったような感じ。暗いスペースに光るボックスは少し幻想的な雰囲気を醸し出しており、遊びに没頭できるだろう。
柔らかいイメージ映像で文字と世界をつなぐ(動画※音声あり)
続いて紹介するのは、「まだ かみさまが いたるところにいたころの ものがたり」。スクリーンに現れる象形文字にタッチすると、その文字の持つイメージが飛び出す仕組みになっている。現れるのは動物や自然現象などで、色や形は実物とは違い自由に表現されていて、まるでおとぎ話の世界に入った印象を受ける。文字とその意味を視覚的に覚えることができるようになっており、漢字に慣れ親しむ日本人にとって、国語能力の向上にひと役買いそうなアトラクションだ。
やっぱり子どもの遊びといったらコレでしょ!(動画※音声あり)
誰もが一度はやったことのあるケンケンパをデジタルアートに昇華したアトラクションが「天才ケンケンパ」。○△□にうまく乗れると音とエフェクトが広がり、□から□に飛び移るなどの関連性があると、さらに美しい効果が現れる。単純だからこそ、こういう遊びはハマってしまうもの。意外と体を使うので運動不足の人は準備体操を(笑)。バランス感覚だけでなくパターン認識力が習得でき、楽しく体を使って遊べる。床に表現されるエフェクトはかなりディテールも凝っており、水の波紋、泳ぐ魚、揺れる水草と見る側を飽きさせない。
また、こちらは4月8日(水)~28(火)の期間限定(※平日のみ)でアトラクションが「つくる!僕の天才ケンケンパ」に変わる。備え付けのタブレットでオリジナルのコースが作れて、よりゲーム性を楽しむことができる。独創性あふれるコースを作り、子どもにチャレンジさせよう。
不思議なスクリーン系アトラクションで街を作る(動画※音声あり)
テーブルへ投影されたスクリーンに積み木を置くことで線路が敷かれていく「つながる!積み木列車」。積み木と積み木の場所に線路がつながり、列車が走ってくる様はちょっと不思議。線路だけでなく、車が走る道路、川を渡るボートも出現する。積み木を置いてから映像が流れるまでのレスポンスが早く、大人が見ても「どういう仕組みなの?」とちょっと不思議な感覚にとらわれる。積み木の数が多くなれば、巨大な街のようになるので、友達と協力するといった協調性も生まれるだろう。
タッチパネル感覚で小人の世界をコントロール(動画※音声あり)
最後に紹介するのは、「小人が住まうテーブル」。ここでは、テーブルに手や物を置くと、小人が飛び乗ってきたりイラストが出現する。デジタル世界のキャラクターと親近感が湧くアトラクションで、ポップなモチーフとエフェクトは子どもの心にストレートに刺さるはず。
もちろん大人でもチームラボの魅力を堪能できる!(動画※音声あり)
ここまで子ども向けの展示を紹介したが、大人の鑑賞に耐えうる作品もあるからご安心を。中でも、チームラボが発表した新作の「Floating Flower Garden -花と我と同根、庭と我と一体と」に注目したい。天井から吊り下げられた2600本以上の花々が浮遊する庭園。このスペースに鑑賞者が入ると、草花は一斉に上がっていき、鑑賞者を中心に半球状の空間が生まれる。少し歩みを進めると人がいなくなった場所は草花が降りてきて、どこへ行っても花に囲まれた空間をキープする。花の中に埋没してしまったかのように錯覚してしまう、幻想的なドーム空間。デジタルアートを主とするチームラボにとって、珍しくアナログな作品であるといえる。造花ではなく生花を使っているので花の香りも満喫でき、抜群のヒーリング効果が得られる。
このほか、デジタルアートの真骨頂ともいえる作品群がいくつも展示されており、未来のデジタル技術を体感できる展示会になっている。大人も子どもも楽しめる“未来の遊園地”は、今いちばんお勧めしたいスポットだ。
【まだある楽しい展示】※動画には音声があるものが含まれます
「世界は、統合されつつ、分割もされ、繰り返しつつ、いつも違う」
8枚のパネルにマス目で描かれた抽象的な世界が広がる
「花と人、コントロールできないけれども共に生きる、そして永久に – Tokyo」
壁やフロアに映る美しい花々。1時間を通して、東京の1年間の花々を描く
「生命は生命の力で生きている」
水墨画のようなデジタルアートで生命の素晴らしさを表現
「冷たい生命」
UltraHD(4K)の解像度で超微細に描かれた映像作品
「花と屍 剝落 十二幅対」
繁栄と厄災、命の循環と自然との共生を12幅の絵巻物で構成
「増殖する生命 – Gold」
記録したものではなく、コンピュータプログラムによってリアルタイムで映像を描き続けるため二度と同じ映像は見られない
「世界はこんなにもやさしく、うつくしい」
文字に触ることでモチーフが飛び出し、2D世界に影響をもたらしていく
「追われるカラス、追うカラスも追われるカラス、そして分割された視点 ‒ Light in Dark」
2次元のアニメーションで行われていた空間のデフォルメを3次元空間で再現する
日本科学未来館(東京・お台場)
開催は2015年5月10日(日)まで
当日券 1800円(19歳以上)、1200円(小学生~18歳)、900円(3歳~小学生未満)
(取材・文/三宅隆)
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