クルマ好きの人であっても、家族と出掛ける時の利便性を考えて、スライドドア付きのミニバンを選ぶというケースがある。この時、想定ターゲットとしてよく挙がるのが、いわゆる“5ナンバーサイズの箱型ミニバン”。トヨタだったら「ノア」や「ヴォクシー」もしくは「エスクァイア」、ホンダなら「ステップワゴン」、日産自動車なら「セレナ」が相当する。
でも、本当はプレミアムセダンやSUVが欲しいと考えるクルマ好きの人にとっては、ミニバンは少し物足りない乗り物かもしれない。便利なのは分かっているけれど、スタイルは箱型でクルマ好きにとっては退屈。走りも、一般的なミニバンは爽快感をあまり感じられない。
そんな人に向けて、各メーカーがミニバンに用意しているのが“エアロシリーズ”。ノアなら「Si」グレード、ヴォクシーなら「Z」グレード、ステップワゴンでは「スパーダ」、セレナでは「ハイウェイスター」がそれに当たる。
もちろん、それらも悪くはないのだが、いずれも人気車種だけに、街を走る姿をたくさん見掛けるのが気になったりする。クルマ好きというのは、クルマの良し悪しだけでなく、そんな“どうでもいいようなこと”が気になる生き物なのだから仕方がない。
そうしたクルマ好きの心理を考慮したのか、ノアやヴォクシーなら「GR」、ステップワゴンは「モデューロX」、そしてセレナは「NISMO(ニスモ)」といった具合に、ここへ来て各モデルに“メーカー純正”ともいえるカスタマイズモデルが用意されるケースが増えてきた。それらは、クルマにこだわりつつミニバンを買う人のための“最後の砦”ともいえる存在。このように、かゆいところまでしっかりと手の届くモデルが用意されているのが、今どきのミニバン事情なのである。
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