初めてのキャンプ用ナイフに!ビクトリノックス「クライマー」【アウトドア銘品図鑑】

■機能

スイス・アーミーナイフといえばビクトリノックス! 多機能ナイフの原型でもある「オフィサーナイフ」をはじめ、82もの機能を搭載した「スイスチャンプXAVT」などバリエーション豊富ですが、いったいどれを選べばいいんでしょうか?

▲ビクトリノックス「クライマー(旧トラベラー)」

「ナイフはその用途にあったものを選ぶのが一番。多機能なものは便利そうですが、あまりに機能が多いと重く使いづらくなってしまいます。その点、“クライマー”(4000円/税別)はほどよくシンプルで使いやすいんです。キャンプでは“キャンパー”(3360円/税別)というモデルもノコギリ付きでいいかもしれません」(赤津さん)

▲ビクトリノックス「キャンパー」

「クライマー」は大小ブレード、缶切り、栓抜き、リーマー、コルク抜き、マルチフック、はさみなど14機能付き。「キャンパー」はマルチフックとはさみがなく、その代わりにノコギリが付いた13機能。とても似ています。

 

「ノコギリはアックスやナイフでできない作業をする道具。作業効率を考えると、やはり単体のノコギリがベストです」(赤津さん)

そう考えると、キャンプでガシガシ木を切るようなシーンでは大きめのノコギリのほうが作業しやすいので、日常的に使えるはさみが付いた「クライマー」を選ぶといいのかも。そうそう、「クライマー」の機能のひとつ、マルチフックをペグ抜きがわりにする人もいるそうですよ。

一方、専用ノコギリを持っておらず、たまに木を加工したいという人は、「キャンパー」を選択するといいでしょう。

「クライマー」に限らず、スイス・アーミーナイフには大小ふたつのブレード(ナイフの刃)が付いています。食品用とクラフト用など、自分なりに用途を決めておきます。ちなみに、栓抜きの根本に付いている小さな切り込みはワイヤーストリッパーです。

日本では缶切りなしでもあけられる缶詰が増えました。けれど、自治体によっては、燃料用ガス缶を廃棄する際に穴開けが必要な場合もあるんです。また、海外の缶詰はいまだに缶切りが必要なタイプもあります。

ちなみに、ビクトリノックスの缶切り先端には3mmのマイナスドライバーが付いています。

参考までに、ウェンガー(2005年にビクトリノックスと合併、2013年にブランド統合)の缶切りはこんな感じ。かなりとがっていて、先端を缶に押し込むようにして使います。

 

■旧型ソルジャーナイフとの比較

こちらは古いウェンガー製スイス軍制式採用ソルジャーナイフ。似たモデルでは、ビクトリノックスの「ソルジャーCVAL」(2960円/税別)があります。スイス軍が使っていたモノと同タイプで、ハンドルは樹脂ではなく軽くてタフなアルミ製。熱に強いという性質を持っています。

搭載されている機能はナイフと栓抜き、缶切り、リーマー、マイナスドライバーなど必要最低限に抑えられています。当然のことですが、「クライマー」や「キャンパー」とは違い、コルク抜きは付いていません。

ソルジャーナイフはウェンガーとビクトリノックスが製造していました。写真のソルジャーナイフはひもを通すランヤードがハンドルを貫通しています。これはウェンガー製。ですが、缶切りはビクトリノックスの形をしています。ビクトリノックスのWEBサイトによると、スイス軍に納入するナイフは製造者にかかわらず同一であることが求められたためだそうです。

▲エイアンドエフ会長・赤津孝夫さん

「ナイフは石器時代から使われていた原始的な道具。今も自然の中に入ったときに、真っ先に必要となります。手のひらサイズにいろいろな機能が詰まったスイス・アーミーナイフは、キャンプでひもを切る、木を削る、レザーに穴をあけるなんてことだけでなく、会社に届いた商品の段ボール箱を開けるときにも重宝しているんですよ」(赤津さん)

キャンプの時だけに使うのではもったいない! ビクトリノックスの多機能ナイフは、バネの組み合わせが決まっていてどうしても搭載する機能の組み合わせに制限があるそうです。自分に必要な機能を考えて、使いこなせるようになりましょう。

*鉄砲刀剣類所持等取締法(銃刀法)では、業務など理由なしに刃体の長さが6cm(折りたたみ式ナイフは8cm)を超える刃物を携帯してはいけないとされています。「トラベラー」や「クライマー(旧キャンパー)」は銃刀法の対象外ですが、場合によっては軽犯罪法の対象になることも。なにかと便利な多機能ナイフですが、外出時の携帯には十分注意してください!

 

>> エイアンドエフ


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(取材・文/大森弘恵 画像提供/ビクトリノックス・ジャパン

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