■タイトなコーナーでもグイグイ曲がっていく
NISMOでは、サーキット走行を始めたい人向けのスポーツドライビングレッスンとして「NISMOドライビングアカデミー」を定期的に開催しています。同アカデミーは、NISMOアンバサダーのミハエル・クルムさんら、プロドライバーの指導の下、ドライビング技術を基礎から学べる充実したプログラムが売り物です。
そんなレッスンでは「GT-R NISMO」や「フェアレディNISMO」といったハイパフォーマンスカーのオーナーに交じって、最近、ノートe-POWER NISMOでドライビングテクニックのスキルアップを目指す受講者が増えているのだとか。なのでNISMOとしても、ノートe-POWER NISMOのチューニングは外せないといいます。
試乗車は、ベースモデルであるノートe-POWER NISMOに対し、ボディを補強し、専用の空力パーツを付与し、足回りを強化するなどしたモデル。さらにドライブモードの「ノーマル」、「S」が、ともによりスポーティな特性と変更されています。
今回のNISMOパーツ装着車は、フロントとリアの「カーボンピラーガーニッシュ」(フロント:3万3000円/リア:1万6500円)や、カーボンドアミラーカバー(4万3000円)などで、エクステリアが精悍な印象に仕上がっていますが、それ以上に注目したいのが、e-POWERの走りを司る“ヴィークルコントロールモジュール”のリセッティング。
これは、スポーツドライビングをより楽しめる特性にするために、ドライブモードをノーマルのe-POWER NISMOより、さらにスポーツ寄りの味つけにするもの。「Bレンジ」がe-POWER NISMOの「S」に相当し、「ECOモード」が底上げされ、「Sモード」には少々過激な加速感と回生特性が与えられました。特にSモードでは、加速感を向上させながら、発電量を増加することで急速なバッテリー残量の減少を抑制。また、回生ブレーキの特性を変更することで、リズミカルなワンペダル走行を実現しています。
回転が始まると即座に最大トルクを発生できるという、電気モーターの特性を最大限に活かし、NISMOパーツ装着車のSモードでは「ドン!」と蹴飛ばされるような加速を得られます。環境&燃費重視のEV(シリーズ式ハイブリッド車)から、積極的に走りを楽しめるスーパーEVへと変身するわけですね。
さて、以前のNISMOパーツ装着車は、オーリンズ社製のダンパーを用いたスペシャルな足回りとなっていましたが、新しい仕様では、サスペンションをノーマルに戻し、一方、フロントにヘリカル式LSDを組み込みました。ほどほどに締まった乗り心地にして、タイトコーナーでもスロットルを開けると、内輪を空転させることなくグイグイ曲がっていく…そんなアグレッシブなノートe-POWERになっています。
ノートe-POWER NISMOを対象にしたチューニングメニュー「NISMOスポーツリセッティング」の価格は13万円(消費税別/工賃込み)。開発中であるフロントLSDの価格は未定です。
(文&写真/ダン・アオキ)
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