■使い方
いろいろな持ち方がありますが、ブレードの近くを持つほど力をこめやすく、手の延長でナイフを使えます。グーで握るよりもブレードの背に親指を添えておけば、力を加減しやすくなります。
赤津さんによると「よく切れるナイフは、先端が薄くなっています。そして、刃をよく見るとノコギリのようになっているんです。包丁や工具もそうですが、切れる刃物は軽い力で作業できるので安全。切れない刃物は力を入れないと切れないし、切り口もつぶれて美しくありません。何より疲れます。使っているうちに刃が丸まってだんだん切れ味が悪くなるので、研ぐかタッチアップ(簡易的なシャープニング)をしましょう」。
ランドールのナイフは、タッチアップ用砥石のポケットが付いたシースがセットになっていてどこでも研ぐことができます。
砥石と刃を15度くらいの角度にキープしてタッチアップします。ツメに刃を当ててカリッと引っかかるような感じになればOK。髪の毛に刃を当てて、食い込むような感じがすると、これも研ぎ上がりの合図です。
理髪店では、ときおり皮のコードバンでカミソリを研いでいる様子を見られます。棒状のシャープナーは、これと同じように棒にこすりつけて刃をつけるというタッチアップです。持ち運びやすく、水や油を使わないのでどこででもナイフの切れ味を復活させられます。ただし、これは簡易的なものなので、後できちんと砥石で研ぎなおす必要があります。
シースナイフは、シースから取り出すとすぐに使えます。それに、フォールディングナイフよりもタフ。アウトドア好きなら持ち運びやすいフォールディングナイフとシースナイフ、両方ともほしい道具です。
ランドールには狩猟向きの「M11」だけでなく、「M12スポーツマンズボーイ」「M5キャンプトレイル」「M26パスファインダー」などキャンプ向きモデルも多数あります。自分はどんな使い方をするか、目的別にじっくり考えるのも醍醐味です。
*鉄砲刀剣類所持等取締法(銃刀法)では、業務など理由なしに刃体の長さが6cm(折りたたみ式ナイフは8cm)を超える刃物を携帯してはいけないとされています。キャンプでナイフを使ったあとはクルマやバッグの中に入れたままにせず、必ず自宅で保管しましょう。
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(取材・文/大森弘恵)