■直行便で一気に深センへ!
8月に組まれた工場見学ツアー。まずは深セン入りして一泊。そこから広州にある工場に向かうスケジュールとなった。実は深センは初めて。中国のシリコンバレーと呼ばれる街には、以前から興味があったから楽しみだ。
首都圏から深センへは、成田空港から1日1便だけ深セン航空の直行便が出ている。成田は19:30発だ。
約4時間半のフライトで、深センに到着したのは日付が変わる直前。ちなみに日本との時差は1時間。
入国審査などを経て、中国に入国する頃にはすでに日付は変わっていた。すぐにタクシー乗り場に向かうが、そこは人人人…、人であふれていた。深夜0時を回っているというのに、とんでもない数だ。
空港まで迎えに来てくれた、今回の工場見学で案内役をしてくれるモノグッズ現地スタッフによると、これはいつもの光景らしい。あいにくの雨模様からくる湿気と、深夜でも30℃を超える気温もあいまって、熱気がものすごい。喧騒と熱気に思わず圧倒される。
かなり時間が掛かるだろうと覚悟していたが、10分程度でタクシーに乗車。そして空港から30分ほどで、ホテル着。
空港の一幕だけでも、深センという街が持つパワーに気圧された気分だ。スタートアップ企業が集まり、ファーウェイやZTE、dji、テンセントなどグローバルに活躍する企業が本拠を構えるこの街に圧倒されつつ、この日は就寝。
■キャッシュレスタウン、深セン
翌日は、少し早めにホテルを出発し、中国の秋葉原的存在である“華強北”に寄ってもらった。といっても秋葉原とは規模が大違い! なんだここ!の連続だ。
朝8時の華強北はまだ店が開いておらず、働く人たちの通勤時間帯だった。近代的な建物が並び、その一棟一棟が同ジャンルのものを扱う店だけで成り立っているという。
見た目は最新のビルだが、中はまさに中国の“市場”の様相。そして最新ビルの下には、働く人たちのための、まるで屋台のような飲食店がそこかしこで開店している。
実は深センは、かなり進んだキャッシュレス社会になっている。その中心となっているのが、微信支付(WeChat Pay)だ。日本でいうLINEのようなサービスである、チャットアプリ「微信(WeChat)」にクレジットカードや銀行口座を登録し、QRコードを使って決済する。例えば上写真の屋台だと、メニューが6元の腸粉しかないので、6元のQRコードをテーブルに貼り付けている。客は自分のスマホに入れてある微信アプリからカメラを使ってQRコードを読み取り、支払いを行う。これなら屋台のような通信環境がない場所でも決済可能だ。
逆にコンビニでは、支払い時に自分のスマホにQRコードを表示させ、店側のバーコードリーダーで読み取ってもらう。これで支払いができる。
どんな店に行こうが、タクシーや配車サービスの滴滴出行(ディディ)といったサービス利用時だろうが、ほぼ微信支付があればOK。これなら、スマホさえ持っていればすべてが済ませられそう。街なかに誰でも使えるコンセントが多数あり、街行く人々がモバイルバッテリーを持っているのも納得だ。だってスマホがなければ、何もできさそうだから。