今回ドライブしたのは、スタイルの「X SA II」と、アクティバの最上級モデル「Gターボ SAII」。
スタイル「X SA II」は、ベーシックな「X」に衝突回避支援システムなどの安全装備をセットで装備したグレードで、両車の価格差は6万4800円。キャスト スタイルの売れ筋モデルです。
試乗車は“ファイアークォーツレッドメタリック”のボディカラーに、屋根がホワイトという出で立ち。白いルーフは“デザインフィルムトップ”と呼ばれるオプションで、ペイントではなく白いフィルムを貼っています。耐久性が高く、フッ素加工が施されているので、ワックスがけも不要なんだとか。
コレは面白い! ラッピング技術が進めば、ルーフのみならず、ボディの一部や車体全体をカバーして、季節ごとに異なるボディカラーを楽しめるようになるかもしれません。
キャスト スタイル、室内も凝っています。内装には、標準の“インテリアアクセントカラー(シルバー)”に加え、バーガンティ、ライトブラウン、ホワイト、ブラックと全5種類が用意されます。
驚くのが、単に樹脂パネルの色を変えているだけではないところ。パネルに合わせて、内張の一部も併せて変更しています。しかも皮革調で、質感が高い! “安物感”ありません。
走り始めれば優しい乗り心地で、乗り手をほっこりさせます。従来のミラやその派生車、はたまた室内スペース追求のハイトワゴンでは飽き足らない。そんなわがままなユーザーに向けたキャスト スタイル。21世紀のダイハツ「オプティ」といったところでしょうか。
もう1台の試乗車、キャスト アクティバ「Gターボ SAII」は、車両本体価格151万1740円。
アクティバは、“多様化するニーズに(リーズナブルに)対応”というコンセプトが明確に出たモデルで、ボディサイドにオフローダー調の樹脂パネルを付け、前後のバンパー下部にはアンダーガード風のパーツを装着。ギャスト スタイルとはガラリと雰囲気を変えています。
最低地上高もスタイルより30mmほど上げているので、アウトドアなルックスは伊達ではない。試乗会の日には間に合いませんでしたが、オプションのルーフレールを付けたら、さらに“らしく”なりそう。
最高出力64馬力、最大トルク9.4kg-mを発生するターボエンジンを選べば、動力性能には余裕があります。
4WDモデルもカタログに載るので、「長年乗ってる『テリオスキッド』、そろそろ買い換えたいんだけど…」と考えている人は、チェックした方がいいんじゃないでしょうか。
4駆のキャスト アクティバには、雪やオフロードなどの滑りやすい下り坂で、自動でブレーキをかけながら下ってくれる“DAC(ダウンヒルアシストコントロール)制御”や、ぬかるみなどで空転した車輪にブレーキをかけて差動を制限する“グリップサポート制御”が搭載されるので、さらに頼もしい。
「街乗り」「オフロード」「スポーツ」と、3つのカテゴリーをカバーするキャストシリーズ。企画、開発、生産、そして販売と、ニッポンの軽自動車の底力を感じさせるクルマです。
価格帯とコンセプトから、今すぐダイハツの主流であるミラ系に取って替わる存在に…なんてことはないでしょうが、軽自動車の世界をまたひとまわり広げたことだけは間違いありません。
<SPECIFICATIONS>
☆X SA II(2WD)
ボディサイズ:L3395×W1475×H1600mm
車重:840kg
駆動方式:FF
エンジン:658cc 直列3気筒DOHC12バルブ
トランスミッション:CVT
エンジン最高出力:52馬力/6800回転
エンジン最大トルク:6.1kg-m/5200回転
価格:128万5200円
☆Gターボ SA II(2WD)
ボディサイズ:L3395×W1475×H1630mm
車重:840kg
駆動方式:FF
エンジン:658cc 直列3気筒DOHC12バルブ ターボ
トランスミッション:CVT
エンジン最高出力:64馬力/6400回転
エンジン最大トルク:9.4kg-m/3200回転
価格:151万7400円
(文&写真/ダン・アオキ)
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