写真を見てわかる通り「サカナイフ」は独特な形状。場所によって役割が違い、切れ目を入れる・肉を削ぐ・ウロコを取る・骨を切るという機能が備わっています。全長は21.6cm、刃渡りは約10.3cm、重量110gという軽々と持てるコンパクトなフォルム。これでアジからブリまで捌ける、ってすごくない?
■さっそくアジを捌いてみた!
仕事が忙しくて釣りに行けないので(言い訳)、鮮魚店で売っていた大ぶりのアジを購入。とりあえず10匹買ってみましたが、どれも25cmオーバーで捌き甲斐のあるサイズ。果たして全部処理できるのか……。ではアジフライ用の捌き方を7つのステップで説明します。
▼ステップ1「ウロコ取り」
まずはウロコ取りからスタート。ここを飛ばすと、口の中でウロコが邪魔して、せっかくのフライのサクサク感に水を差される結果となります。丁寧にやりたいところですが、ウロコ取りをしていると、腹ビレや背ビレが手に突き刺さることも。地味に痛くて、勢いよく手に刺さると出血します。
しかし、サカナイフでウロコ取りをする場合は大丈夫。刃全体を湾曲させることにより、魚のヒレやトゲから手を安全に遠ざける+力が入れやすい構造に。これは安心! ユーザーのことを考えた設計だなあと感じる工夫です。
▼ステップ2「ゼイゴを取る」
アジといえば、やっかいなのが腹から尾にかけて鎧のようにアジを守る「ゼイゴ」。かなり固いので、必ず取り除かないとウロコ以上にフライの食感を台なしにします。というわけで、尻尾の方からサカナイフの「波刃」と呼ばれるギザギザした部分を刺し込みましょう。上下にゴリゴリしながら進めると、あっさりゼイゴを切り取れます。
後述しますが、この波刃部分は骨などを切断できる“ノコギリ形状”。魚を解体するときに最も役立つと言っても過言ではありません。
▼ステップ3「頭を切り落とす」
ここまで特に難しい部分はなく、頭もサカナイフなら簡単に切断できます。太い骨があって、普通は出刃包丁などを使用するとスムーズですが、サカナイフの波刃を使ってゴリゴリやればOK。頭は捨てて、内臓をかき出して水洗いしましょう。
▼ステップ4「背ビレに沿ってトレースラインを入れる」
頭を切り落としたら、美しいハート状のフライにするため「背開き」に。このあたりから、サカナイフが本領を発揮し始めます。ナイフを裏返して先端部分を背ビレの上に差し込み、そのまま押していけば「トレースライン」の出来上がり。
▼ステップ5「骨から身を切り離す」
再びサカナイフを正位置に戻し、波刃を使って骨に当てるように身を剥いでいきます。通常は繊細な作業のため、技術や経験が必要となる工程ですが、この波刃で“こそぐ”ように進めると簡単かつキレイに骨から身を切り離せます。
▼ステップ6「もう片方の身も切り離す」
そこからは同じように、骨が残った方の身にトレースラインを入れます。できたら波刃の方で中骨を切り離すわけです。
▼ステップ7「お腹周辺の骨を取り除く」
最後は中心部に残った骨を取り除けば、ほぼ完了。太い骨が残っているため、波刃で切り取ってしまいましょう。このとき、少し丁寧にやらないとアジが真っ二つになり、あのキレイなアジフライの形になりません。