開けゴマ!スマートロック「セサミ mini」の製造現場に潜入【オトナの社会科見学】

■スマホケースなども手がける塗装工場でカラーリング

プラスチック部品を生産したら、次は塗装工程だ。塗装工場では、セサミ miniのプラスチック部品を「ジグ」と呼ばれる器具に装着し、手作業によってホコリを取ってから自動塗装工程に移る。塗装後に表面をきれいに仕上げればできあがりだ。

▲セサミminiのプラスチック部品をジグに取り付けたところ

▲こちらではスマホケースのラインが動いていた。プラスチック工場から届いた部品を検品し、ジグに取り付けている

▲ジグに取り付けられたプラスチック部品が流れてくるので、ハケを使ってホコリを取り除く

▲こちらは自動的に塗装する工程だ

▲紫外線を当てて硬化させている

▲外観を検査し、表面をきれいに仕上げればできあがりだ

▲塗装されたプラスチック部品

 

■世界最大サイズの基板にも対応する基板実装工場

続いてはセサミ miniの心臓部とも言える、基板の製造工程を見ていこう。今回はWi-Fi基板の製造工程を見せてもらった。

▲基板の製造ライン

▲シルクスクリーンのような要領で、基板にクリームはんだを塗る

▲こちらは基板を実装する工程

▲リールに巻かれている部品が基板に実装されていく

▲装着後に炉の中に進み、約260℃の高温で固められることでできあがる

▲Wi-Fi基板ができあがったところ

▲この基板工場では、120×40cmもの世界最大の基板への実装にも対応しているとのことだ

 

■ハードウエアスタートアップに優しい台湾のものづくり現場

最後に訪れたのが、プラスチック部品や基板、モーターなどを組み立てる工場だ。

▲最終組立工場の現場。定時を過ぎていたため閑散としていた

こちらではモーターモジュールや、サムターンを回すつまみ、歯車、電池ボックスなどさまざまな部品を組み立てて最終製品に仕上げる。

▲モーターモジュールやつまみ、電池ボックスなどを組み立てていく

▲できあがったところ

▲検査機で仕上がりを検査しているところ

できあがると、初期不良がないかどうかテストする「バーンイン試験」を行う。これは50℃の庫内で約8時間、カギを開け閉めするというものだ。実際にカギに装着してテストするわけではないが、ここで慣らし運転と初期テストを行うという位置付けのようだ。

▲50℃の庫内で約8時間、カギを開け閉めする「バーンイン試験」を行う

テストが無事終了すると、最終製品のファームウエアを書き込み、パッケージにして出荷するという流れになっている。

▲完成したセサミ miniの本体とパッケージ

台湾の工場は中国・深センなどに比べて小さいため、大量生産にはあまり向かない。しかし「長年のノウハウを提供してアドバイスしてくれるなど、ハードウエアスタートアップにも親切に対応くれるのが大きな魅力です」とJerming CEOは語っていた。日本でもハードウエアスタートアップの動きは加速しているが、日本からいきなり中国に飛ぶのではなく、台湾を経由するというのも一つの手なのかもしれない。

>> セサミ

 


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(取材・文/安蔵靖志)

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あんぞうやすし/IT・家電ジャーナリスト

ビジネス・IT系出版社で編集記者を務めた後、フリーランスに。総合情報サイト「日経トレンディネット」、「NIKKEI STYLE」などで執筆中。KBCラジオを中心に全国6放送局でネットしているラジオ番組『キャイ~ンの家電ソムリエ』にも出演中。

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