■スマホケースなども手がける塗装工場でカラーリング
プラスチック部品を生産したら、次は塗装工程だ。塗装工場では、セサミ miniのプラスチック部品を「ジグ」と呼ばれる器具に装着し、手作業によってホコリを取ってから自動塗装工程に移る。塗装後に表面をきれいに仕上げればできあがりだ。
■世界最大サイズの基板にも対応する基板実装工場
続いてはセサミ miniの心臓部とも言える、基板の製造工程を見ていこう。今回はWi-Fi基板の製造工程を見せてもらった。
■ハードウエアスタートアップに優しい台湾のものづくり現場
最後に訪れたのが、プラスチック部品や基板、モーターなどを組み立てる工場だ。
こちらではモーターモジュールや、サムターンを回すつまみ、歯車、電池ボックスなどさまざまな部品を組み立てて最終製品に仕上げる。
できあがると、初期不良がないかどうかテストする「バーンイン試験」を行う。これは50℃の庫内で約8時間、カギを開け閉めするというものだ。実際にカギに装着してテストするわけではないが、ここで慣らし運転と初期テストを行うという位置付けのようだ。
テストが無事終了すると、最終製品のファームウエアを書き込み、パッケージにして出荷するという流れになっている。
台湾の工場は中国・深センなどに比べて小さいため、大量生産にはあまり向かない。しかし「長年のノウハウを提供してアドバイスしてくれるなど、ハードウエアスタートアップにも親切に対応くれるのが大きな魅力です」とJerming CEOは語っていた。日本でもハードウエアスタートアップの動きは加速しているが、日本からいきなり中国に飛ぶのではなく、台湾を経由するというのも一つの手なのかもしれない。
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(取材・文/安蔵靖志)